World Heritage Sites

世界遺産一覧

(執筆協力:山中 はる那)

アレハンドロ・デ・フンボルト国立公園

Alejandro de Humboldt National Park
アレハンドロ・デ・フンボルト国立公園
この国立公園は、キューバ東部北海岸、カリブ海に面するニペ・サグア・バラコア山地などの山岳地帯と森林に覆われた地域を含みます。中南米の自然を調査し、近代地理学の祖と呼ばれたドイツの学者アレクサンダー・フォン・フンボルトを記念して命名されました。約1,300種の種子植物のうち約70%が固有種とされ、哺乳類や昆虫の約3分の1、鳥類の5分の1、爬虫類・両生類の大多数はキューバまたは地域の固有種です。今後も多くの新種の発見が期待されています。
地域: 中米・カリブ海 / 国名: キューバ共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 2001年 / 登録基準: (ix)(x)
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クラドルビ・ナド・ラベムにある式典馬車用の馬の繁殖・訓練地の景観

Landscape for Breeding and Training of Ceremonial Carriage Horses at Kladruby nad Labem
クラドルビ・ナド・ラベムにある式典馬車用の馬の繁殖・訓練地の景観
エルベ川の氾濫原に、草原や森、平原、公園、道路や水路網、農場の建物群などが広がる美しい景観があります。ここは、チェコ最古の馬種であるクラドルバー種を繁殖・訓練するために作られた国営牧場です。この景観は、フランスや英国の景観設計に則り、美学的に要素が配置された農場である「フェルメ・オルネ」の例とされており、自然と人間との共同作品ともいえる「文化的景観」の価値も認められています。
地域: ヨーロッパ / 国名: チェコ共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2019年 / 登録基準: (iv)(v)
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グラン・バッサムの歴史都市

Historic Town of Grand-Bassam
グラン・バッサムの歴史都市
グラン・バッサムは、コートジボワール最初の首都として知られています。アフリカ西部のギニア湾岸に位置するコートジボワールは、1960年に独立するまでフランスの植民地でした(現在もフランス語が公用語となっています)。グラン・バッサムは19世紀後半から20世紀前半にフランスが建設した植民都市で、交易と行政管理に特化した街並と、ヨーロッパからの入植者の居住区と地元民の居住区から成り立っています。
地域: アフリカ / 国名: コートジボワール共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2012年 / 登録基準: (iii)(iv)
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ゲガルト修道院とアザート渓谷上流域

Monastery of Geghard and the Upper Azat Valley
ゲガルト修道院とアザート渓谷上流域
アルメニア中西部、アザート峡谷上流域の標高1,700mの地に、4~13世紀に築かれた修道院や墓が多数残されています。岩山に囲まれたこの場所に修道院が造られ始めたのは、アルメニアでキリスト教が国教となった4世紀初頭のことです。初期には岩をくり抜いて建てられたことから「アイリヴァンク(洞窟の修道院)」とも呼ばれました。ゲガルトとは「槍」を意味しており、イエス・キリストが十字架刑に処された時、イエスの死を確認するために脇腹を刺したとされる「ロンギヌスの槍」がこの地で発見されたことに由来しています。槍は使徒タッデウスにより持ち込まれたとされ、聖遺物として500年間この修道院に安置されています。
地域: ヨーロッパ / 国名: アルメニア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2000年 / 登録基準: (ii)
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ゴールの旧市街とその要塞

Old Town of Galle and its Fortifications
ゴールの旧市街とその要塞
「インドの涙」と呼ばれる、インド洋に浮かぶスリランカ。この島の南西海岸の岬に位置するゴールは、中東と中国を海路で結ぶ「海の道」(または“海のシルク・ロード”)の中継地点として古代から栄えました。大航海時代の16世紀にはポルトガル人が進出し、要塞を建設。18世紀には、ポルトガルとの覇権争いに勝利してアジアに進出したオランダがこの土地を支配し、ゴールは要塞都市として最盛期を迎えます。その後、イギリスに支配国が移ってからも、ゴールは貿易港として繁栄し続けました。ゴール旧市街の内部には、イギリス国教会の聖堂、キリスト教聖堂を転用したモスクなどが混在しています。
地域: 西・南アジア / 国名: スリランカ民主社会主義共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1988年 / 登録基準: (iv)
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古代都市テーベと墓地遺跡

Ancient Thebes with its Necropolis
古代都市テーベと墓地遺跡
古代エジプトには古王国時代・中王国時代・新王国時代と呼ばれる3度の繁栄期があります。中王国時代には、テーベが初めてエジプトの都となり、テーベの地方神であるアメン神をまつるカルナク神殿の造営が始まります。新王国時代にはおよそ5,000㎡の大列柱広間が完成し、カルナク神殿は古代エジプトにおいて最大規模を誇る神殿となります。新王国と都テーベの繁栄に伴って、アメン神はエジプト全土の主神として信仰されるようになり、アメン神と太陽神ラーを結び付けたアメン・ラー信仰が盛んになりました。副神殿のルクソール神殿が建設されたのも新王国時代です。
地域: アフリカ / 国名: エジプト・アラブ共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1979年 / 登録基準: (i)(iii)(vi)
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ゼレナー・ホラにあるネポムークの聖ヨハネ巡礼教会

Pilgrimage Church of St John of Nepomuk at Zelená Hora
ゼレナー・ホラにあるネポムークの聖ヨハネ巡礼教会
ゼレナー・ホラは、プラハ南東のボヘミアモラヴィア高地に位置する巡礼地です。1393年に殉教したプラハ大司教代理の聖ヤン・ネポムツキーに捧げるため、1719年から1727年にかけて建設されました。建設が始まって3年後の1722年、ネポムツキーは正式に「聖人」として認定されています。ゴシック様式とバロック様式の移行期における建築様式の優れた例とされるこの教会は、プラハ出身の建築家であるヤン・ブラジェイ・サンティーニにより、独自の様式でつくられています。
地域: ヨーロッパ / 国名: チェコ共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1994年 / 登録基準: (iv)
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タプタプアテア

Taputapuātea
タプタプアテア
タプタプアテアとは、フランス領ポリネシアのライアテア島にある文化遺産です。ハワイ諸島とラパ・ニュイ(イースター島)、ニュージーランドのアオテアロアを頂点とする三角地帯は「ポリネシアン・トライアングル」と呼ばれ、ポリネシア文化圏の定義のひとつとなっていますが、ライアテア島はこの三角地帯の中心に位置しています。ここは人類が最後にたどり着いた定住の地とされており、マラエ(祭祀場)群のある島と海、ラグーン、サンゴ礁、森林に覆われた2つの谷の美しい景観で構成されています。
地域: ヨーロッパ / 国名: フランス共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2017年 / 登録基準: (iii)(iv)(vi)
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トンガリロ国立公園

Tongariro National Park
トンガリロ国立公園
ニュージーランドの北島の中央部のプレート境界には、タウポ火山帯という火山台地が広がります。先住民マオリは、ここを聖地として信仰していました。しかし、18世紀に著名なイギリス人探検家ジェームズ・クックが調査に入ります。イギリス人の入植の始まりでした。1840年にニュージーランドは英国の植民地となり、マオリの聖地は放牧地へと変えられてゆきます。マオリの首長テ・ヘウヘウ・ツキノ4世は、この土地を将来にわたって守り抜くため、英国女王に土地を寄進する代わりに、国家の保護下に置くことを考案。1894年に、ニュージーランド初の国立公園として保護されることが決まりました。
地域: オセアニア / 国名: ニュージーランド / 分類: 複合遺産 / 登録年: 1990年 / 登録基準: (vi)(vii)(viii)
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ネムルト・ダーの巨大墳墓

Nemrut Dağ
ネムルト・ダーの巨大墳墓
トルコにネムルト山という山があります。ここは古来、信仰の対象とされてきた聖なる山でした。標高約2,200mの山頂には、噴石が50m(当時は75m)の高さに積み上げられた、直径150mの巨大な円錐型の墳墓があります。この墓が築かれたのは紀元前1世紀。コンマゲネ王国という小国の王であったアンティオコス1世が自らのために築いたものです。この墳墓は1881年に発見され、1953年には調査が始まりますが、その全貌はいまだに解明されていません。
地域: 西・南アジア / 国名: トルコ共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1987年 / 登録基準: (i)(iii)(iv)
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パドヴァの植物園(オルト・ボタニコ)

Botanical Garden (Orto Botanico), Padua
パドヴァの植物園(オルト・ボタニコ)
イタリア最古の大学として有名なボローニャ大学の次に古い歴史を持つのが、イタリア北部のパドヴァ大学です。この植物園は、1545年に大学の付属施設として設立され、建設当初からずっと同じ場所にあります。世界を表す円環状にデザインされた中心部分は、当時の建築家アンドレア・モロニが設計したものです。イタリアで初めてジャガイモ・ヒマワリ・ライラックが栽培された場所であり、植物学や生態系学の研究に貢献してきた歴史があり、現在も薬草の栽培や研究が行われています。
地域: ヨーロッパ / 国名: イタリア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1997年 / 登録基準: (ii)(iii)
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ヒエラポリスとパムッカレ

Hierapolis-Pamukkale
ヒエラポリスとパムッカレ
古代都市ヒエラポリスの歴史は、紀元前2世紀にアッタロス朝(ペルガモン王国)の軍団居留地として築かれたことから始まります。後述のパムッカレの段丘の上に広がるヒエラポリスは、やがて温泉街として栄えるようになり、古代ローマに割譲されたのちに繁栄のピークを迎えます。劇場や浴場、凱旋門といったローマを象徴する建造物や、初期キリスト教建築である八角形の聖堂(マルティリウム)を現在も観ることができます。
地域: 西・南アジア / 国名: トルコ共和国 / 分類: 複合遺産 / 登録年: 1988年 / 登録基準: (iii)(iv)(vii)
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マリブ:古代サバ王国の代表的遺跡群

Landmarks of the Ancient Kingdom of Saba, Marib
マリブ:古代サバ王国の代表的遺跡群
サバ王国は、紀元前8世紀~紀元3世紀ごろ、イスラーム以前の南アラビアに存在した古代王国です。厳しい砂漠地帯でありながら、高度な技術により灌漑施設を建設し、オアシス都市として栄えました。都のマリブは、乳香を扱う隊商交易のルートにも組み込まれ、南アラビアの経済・文化の中心地となります。ユダヤ教・キリスト教の聖典である『旧約聖書』には、“シェバの女王”が古代イスラエルの王ソロモンを訪ね、香料などを贈る場面が描かれています。この“シェバの女王”がサバ王国の女王と考えられています。イスラームの聖典である『コーラン(クルアーン)』にも、“サバア(シェバ)王国の女王”がソロモン王と対峙する話があり、「大金持ち」で「賢い」女王という記述もあります。中世アラビアの文献にもサバ王国の繁栄ぶりが記され、後世に伝えられています。
地域: 西・南アジア / 国名: イエメン共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2023年 / 登録基準: (iii)(iv)
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リドー運河

Rideau Canal
リドー運河
リドー運河は、カナダのオタワとオンタリオ湖畔のキングストンを結び、稼働しているものとしては北アメリカ大陸最古の運河です。全長202㎞にわたるこの運河は1832年に完成・開通し、現在も当時の建設場所および当初の構造で操業を続けています。このように1世紀以上前に建設され現役で稼働している世界遺産は非常に貴重なもので、日本では「明治日本の産業革命遺産」の三菱長崎造船所ジャイアント・カンチレバー・クレーンや同造船所第三船渠が有名です。
地域: 北米 / 国名: カナダ / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2007年 / 登録基準: (i)(iv)
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ルーゴのローマの城壁群

Roman Walls of Lugo
ルーゴのローマの城壁群
ルーゴは、イベリア半島北西部にあるスペイン王国ガリシア州ルーゴ県の県都です。ここに城壁が築かれたのは、西暦263~276年、古代ローマ帝国時代に遡ります。全長2,117kmにおよぶ城壁は、鉱物資源に恵まれた街を守るために重要な軍事拠点として建設され、ローマ帝国後期に外敵から街を守りました。その後ローマ帝国は東西に分裂し、イベリア半島は西ローマ帝国の支配下に置かれますが、その西ローマ帝国も476年に滅亡します。その後、イスラーム教徒がイベリア半島に進出しますが、ルーゴの城壁群は714年のイスラーム教徒の侵入などから長きにわたって街を守り続けました。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2000年 / 登録基準: (iv)
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