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大韓民国 | 世界遺産一覧

河回村と良洞村の歴史的集落群

Historic Villages of Korea: Hahoe and Yangdong
河回村と良洞村の歴史的集落群
14〜15世紀に形成された朝鮮王朝初期を代表する氏族集落として、河回村(ハフェマウル)と良洞村(ヤンドンマウル)は最も保存状態の良い遺産として知られています。この地には宗主家の邸宅や学問所、庶民の茅葺き家などが残され、伝統的な生活様式と社会制度の姿が残ります。また、朝鮮王朝初期の貴族的儒教文化を色濃く反映している点でも特徴的です。建築物や村の配置は、当時の両班(貴族階級)や庶民の暮らしや社会構造を体現しており、約500年にわたって受け継がれてきた朝鮮の精神文化を今に伝えています。
地域: 東・東南アジア / 国名: 大韓民国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2010年 / 登録基準: (iii)(iv)
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伽耶古墳群

Gaya Tumuli
伽耶古墳群
伽耶は1世紀から6世紀半ばまで、朝鮮半島南部に存在した複数の小国家の連合体です。各国は独立性を保ちながらも文化を共有し、柔軟に政治的交流を行っていました。特に鉄の生産や海上交易で大いに栄え、中央集権的な強国と隣接しながらも、互いに対等な関係を築き上げていました。『伽耶古墳群』は7つに分かれており、慶尚北道の高霊池山洞古墳群、慶尚南道の金海大成洞古墳群、威安末伊山古墳群などが含まれます。これらは有力者が小高い丘に築いた墳墓で、石室や伽耶式陶器といった共通の埋葬文化が見られる一方、細部の違いから各国の自治性も確認することができます。さらに鉄製武器や交易品、精巧な墓の造りからは、異なる地域の小国が互いに対等な立場で共存・交流していた様子がうかがえます。このように『伽耶古墳群』は東アジア古代文明の多様性を示す貴重な証拠となっています。
地域: 東・東南アジア / 国名: 大韓民国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2023年 / 登録基準: (iii)
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ゲボル:韓国の干潟

Getbol, Korean Tidal Flats
ゲボル:韓国の干潟
韓国南西部、黄海沿いに広がる『ゲボル』は、舒川干潟、高敞干潟、新安干潟、宝城・順天干潟の4地域から構成されており、総面積は12万8,000ha以上になります。これは世界でも有数の規模を誇る干潟生態系です。ここは東アジア・オーストラリア地域フライウェイ(EAAF)の中心的な中継地で、ヘラシギ、ホウグロシギ、ナベヅルなど絶滅危惧種を含む118種の渡り鳥が休息や採餌のために集まります。年間で推定5千万羽もの水鳥が、シベリアやアラスカからオーストラリアまでを往復する長旅の途中、この地で命をつなぎます。干潟は鳥たちの生存を支える重要な拠点であり、生物多様性の要衝となっています。
地域: 東・東南アジア / 国名: 大韓民国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 2021年 / 登録基準: (x)
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高敞、和順、江華の支石墓跡

Gochang, Hwasun and Ganghwa Dolmen Sites
高敞、和順、江華の支石墓跡
全世界に現存するドルメンの約半数、すなわち約3万基が韓国に集中しています。ドルメンとは、巨大な頂石を2つ以上の石塊で支えた墓石のことで、すなわち支石墓です。東アジアでは、紀元前1千年紀において『高敞、和順、江華の支石墓跡』は、紀元前2000〜3000年から、その後の時代にかけて形成された巨石文化の証拠です。この遺跡は、高敞、和順、江華の3つの地域に分布しています。特に高敞には、最大かつ最も多様なドルメンが集合しており、その数は440基以上にも及びます。これらのドルメンは、故人の遺体や骨の上に建てられたと考えられています。『高敞、和順、江華の支石墓跡』のように、これほど多くのドルメンが一箇所に集まっている遺跡は世界的にも非常に珍しく、先史時代の人々の社会構造や信仰、儀式のあり方を知るうえで極めて重要な遺産です。
地域: 東・東南アジア / 国名: 大韓民国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2000年 / 登録基準: (iii)
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済州火山島と溶岩洞窟群

Jeju Volcanic Island and Lava Tubes
済州火山島と溶岩洞窟群
韓国最南端の火山島である済州島は、漢拏山自然保護区、城山日出峰、拒文岳溶岩洞窟群の3地域が世界遺産に登録されています。これらの地域は、総面積約188.5㎢にわたります。済州島は約120万年前に誕生した火山島で、標高1,950mの漢拏山が韓国最高峰としてそびえ立っています。周辺には火山活動によって生まれた滝や奇岩、火山湖など、息を呑むような景観が広がっており、高山植物の宝庫でもあります。また、拒文岳の噴火により約30万〜10万年前に形成された拒文岳溶岩洞窟系は、その長さと複雑さから「世界で最も優れた洞窟システム」と評されています。これらの地域は、地球の形成と進化に関する重要な証拠であり、自然の壮大さを感じさせてくれます。
地域: 東・東南アジア / 国名: 大韓民国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 2007年 / 登録基準: (vii)(viii)
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昌徳宮

Changdeokgung Palace Complex
昌徳宮
昌徳宮(チャンドックン)は、景福宮の離宮として、朝鮮王朝第3代太宗によって1405年に建設されました。自然の地形を活かして設計されたこの宮殿は、伝統的な風水思想と儒教の理念を体現した希少な建築例とされています。場所は朝鮮半島の北部・白岳山の麓に位置し、敷地全体が地形と調和するように配置されました。王の居住区、政務区、儀式空間などは儒教的な原則「前朝後寢」に基づいて設計されており、空間構成そのものが儒教の思想を表しています。このようなことから、昌徳宮は単なる王宮ではなく、朝鮮王朝の精神的な世界観を象徴する場所として評価されています。
地域: 東・東南アジア / 国名: 大韓民国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1997年 / 登録基準: (ii)(iii)(iv)
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水原の華城

Hwaseong Fortress
水原の華城
18世紀末、朝鮮王朝の第22代王・正祖は、父の荘献世子の墓を水原郊外の華山に移すために強力な防御施設を備えた華城を築きました。周囲約6km、高さ約7mの石造りの城壁には4つの主要な門があり、他にも見張り塔、弓射塔、楼塔、稜堡などの設備があります。城壁内には王の臨時の宿である行宮もつくられました。戦争や洪水によって、水門、見張り塔などの7つの建造物が失われたものの、その壮大な都城は水原のシンボルになっています。このように、当時の有力な軍事技術者のもとで建造された華城は、ヨーロッパと東アジアの最新の技術を結集させた18 世紀の軍事建築の傑作ともいえます。
地域: 東・東南アジア / 国名: 大韓民国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1997年 / 登録基準: (ii)(iii)
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石窟庵と仏国寺

Seokguram Grotto and Bulguksa Temple
石窟庵と仏国寺
韓国の南東部にある吐含山(トハムサン)には、8世紀、新羅王朝の首都・慶州で栄えた仏教建築の傑作が残されています。新羅王朝中期に宰相の金大城によって建てられた、石窟庵(ソックラム)と仏国寺(プルグクサ)です。石窟庵は前世の父母のために、仏国寺は現世の父母のために建立されたと伝えられています。これらの建築物は、新羅王朝が栄えた時代の仏教建築の象徴であり、仏教の教えと精神が色濃く反映された場所でもあります。さらに、優れた石工技術の発展を証明する傑作であり、その精巧な造りは今日に至るまで多くの人々を魅了し、東アジアにおける仏教文化の重要な遺産として高く評価されています。
地域: 東・東南アジア / 国名: 大韓民国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1995年 / 登録基準: (i)(iv)
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宗廟

Jongmyo Shrine
宗廟
宗廟(チョンミョ)は朝鮮王朝の歴代国王と王妃の位牌を祀る霊廟です。14世紀後半に太祖李成桂によって建立されました。儒教に基づく王族の霊廟としては最も古く、格式の高い建築物のひとつとして知られています。16世紀末の豊臣秀吉による壬辰倭乱(文禄・慶長の役) では一度破壊されてしまいますが、その後再建され、以降も増築を重ねながら現在に至っています。正殿や永寧殿、功臣堂、公明堂など多くの建物が整然と並び、王室の正統性と祖先崇拝の思想を体現しています。建築様式は中国の伝統を受け継ぎつつも、朝鮮王朝の理念が反映されており、儒教的価値観と王室文化が融合した独自の空間を創り上げています。
地域: 東・東南アジア / 国名: 大韓民国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1995年 / 登録基準: (iv)
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『八萬大蔵経』版木所蔵の海印寺

Haeinsa Temple Janggyeong Panjeon, the Depositories for the Tripitaka Koreana Woodblocks
『八萬大蔵経』版木所蔵の海印寺
韓国南部の伽耶山の麓に建つ海印寺は、802年に創建された由緒ある寺院です。この場所に収められている「八萬大蔵経」は、仏教経典の集大成として世界にその存在を知られています。この版木は、高麗時代の13世紀、モンゴル軍の侵攻という国難に際して、仏の加護を願うために彫られました。初めに彫られたものは戦乱により失われましたが、その後15年をかけて復刻され、1251年に完成しています。約8万枚に及ぶ木版は、その正確さと美しさにおいて他に例がなく、今日でも高い学術的価値を持っています。
地域: 東・東南アジア / 国名: 大韓民国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1995年 / 登録基準: (iv)(vi)
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盤亀川沿いの岩面彫刻群

Petroglyphs along the Bangucheon Stream
盤亀川沿いの岩面彫刻群
韓国南東部の盤亀川沿いにある『盤亀川沿いの岩面彫刻群』は、かつて盤亀川と呼ばれた、現在の大谷川流域に位置する「盤亀台岩刻画」と「川前里の銘文・岩刻画」の2つの遺跡をまとめた呼称です。約3kmにわたって層状の崖が広がる自然景観の中にあり、岩絵は紀元前5,000年頃から9世紀まで、世代を超えた人々によって石や金属の道具で刻まれました。描かれた内容は動物や人間、狩猟の場面、同心円や菱形、文字など多彩で、当時の文化や芸術表現をよく伝えています。特にクジラや狩猟の場面は、東アジアにおける先史時代の海洋漁労の最古の証拠として注目されています。岩に刻まれたこれらの絵や文字は、制作者たちの優れた観察力と創造力を示す貴重な文化遺産です。
地域: 東・東南アジア / 国名: 大韓民国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2025年 / 登録基準: (i)(iii)
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