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オーストリア共和国 | 世界遺産一覧

ウィーンの歴史地区

Historic Centre of Vienna
ウィーンの歴史地区
「音楽の都」として名を馳せるウィーンは、世間では「ウィーン少年合唱団」などでも有名でしょう。ウィーンの起源は紀元前1世紀までに遡り、ローマ帝国においては「ウィンドボナ」と呼ばれていました。13世紀以降ハプスブルク王家から神聖ローマ皇帝が選出されるようになってから、ウィーンは王都となりました。ウィーンが劇的な変貌を遂げるのは17世紀後半なのですが、それまでの歴史を語る建造物も多く残されています。例えばオーストリア最古の修道院であるショッテン修道院や、14~15世紀に建造された聖シュテファン大聖堂などはその代表例と言えます。
地域: ヨーロッパ / 国名: オーストリア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2001年 / 登録基準: (ii)(iv)(vi)
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カルパティア山脈と他のヨーロッパ地域のブナ原生林

Ancient and Primeval Beech Forests of the Carpathians and Other Regions of Europe
カルパティア山脈と他のヨーロッパ地域のブナ原生林
ヨーロッパの広範囲に広がる10種のブナ原生林は、氷河期後期からの生物進化やブナの分化の過程が知れる貴重な遺産です。ブナの他にもヨーロッパナラをはじめ、絶滅の危機に瀕した80種を含む1,067種の植物や101種の鳥類、73種の哺乳類などが登録地に生息しています。また、広大な森林には、IUCNのレッドリストにも記載されているキンメフクロウも生息しています。2007年にスロバキアとウクライナの世界遺産として登録されましたが、その後、登録範囲が順次拡大されていきました。この地のブナ原生林は、現存するヨーロッパブナ(ファグス・シルヴァティカ)の原生林として世界最大であり、その中には世界最樹高のブナの標木も含まれています。
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ザルツブルクの歴史地区

Historic Centre of the City of Salzburg
ザルツブルクの歴史地区
ドイツとの国境近くに位置するザルツブルクの都市名は、ドイツ語で「塩の城」を意味します。紀元前から岩塩の採掘がはじまり、その交易によって街は次第に栄えていきました。ザルツブルクでひときわ目立つ丘の上には、ホーエンザルツブルク城があります。この城は、11世紀にローマ教皇グレゴリウス7世と神聖ローマ皇帝ハインリヒ4世が激しい闘争(叙任権闘争)をしている中で、ローマ教皇側を支持した当時の大司教が、神聖ローマ帝国の侵攻から逃れるため造った城です。以後、歴代の大司教が敵の侵入を阻むために防塁などを増築し、城塞となりました。
地域: ヨーロッパ / 国名: オーストリア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1996年 / 登録基準: (ii)(iv)(vi)
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シェーンブルン宮殿と庭園

Palace and Gardens of Schönbrunn
シェーンブルン宮殿と庭園
元は王室の狩猟場であったこの地に、神聖ローマ帝国のレオポルト1世が夏の離宮の造営を決意したのが17世紀末でした。彼の子であるカール6世は、この宮殿をあまり好いていなかったため、宮殿は長らく放置されたようですが、カール6世の子であるマリア・テレジアが即位すると、この宮殿を大改築していきます。マリア・テレジアは当時、ピンクであった建物の壁を全て黄色に変えて、外観を重厚なバロック様式に統一する一方で、内観は繊細で優雅なロココ様式に統一しました。この黄色は「マリア・テレジア・イエロー」と言われており、今もウィーンの人々から愛されています。
地域: ヨーロッパ / 国名: オーストリア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1996年 / 登録基準: (i)(iv)
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ゼメリング鉄道

Semmering Railway
ゼメリング鉄道
ゼメリング鉄道はアルプスを越えた最初の鉄道として世界遺産に登録されました。また、鉄道として初めて世界遺産登録された物件でもあります。ゼメリング鉄道は1848年に着工され、1854年に完成しました。それ以前はアルプスを越えるためには馬や徒歩での移動が主であり、鉄道での越境は非常に難しい課題でした。特に標高895mのゼメリング峠を越える鉄道の建設は困難とされていました。オーストリア帝国の鉄道技師カール・リッター・フォン・ゲーガは、新たな測量技術を開発し、二段アーチの高架橋やトンネルなどを建設して、わずか6年で鉄道を開通させました。ダイナマイトもない時代に、人力で岩を崩してこの難所に鉄道を開通したのはまさに奇跡の所業といえます。
地域: ヨーロッパ / 国名: オーストリア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1998年 / 登録基準: (ii)(iv)
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ハルシュタット=ダッハシュタイン/ザルツカンマーグートの文化的景観

Hallstatt-Dachstein / Salzkammergut Cultural Landscape
ハルシュタット=ダッハシュタイン/ザルツカンマーグートの文化的景観
オーストリアの中央部に位置する『ハルシュタット=ダッハシュタイン/ザルツカンマーグートの文化的景観』は、先史時代から続く岩塩採掘の歴史を持つ地域であり、ヨーロッパ最古の塩鉱山の一つとして知られています。「ザルツ」とはドイツ語で「塩」を意味し、「ザルツカンマーグート」とは「塩の王領地」を意味します。その名が表す通り、この地域では太古から岩塩の採掘が行われており、その歴史は有史以前に遡ります。
地域: ヨーロッパ / 国名: オーストリア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1997年 / 登録基準: (iii)(iv)
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フェルテー(ノイジードル)湖の文化的景観

Fertö / Neusiedlersee Cultural Landscape
フェルテー(ノイジードル)湖の文化的景観
オーストリアとハンガリーの国境にまたがるノイジードル湖は、ヨーロッパ最大の塩水湖です。ノイジードルはドイツ語であり、ハンガリー語ではこの湖はフェルテー湖と呼ばれています。それぞれオーストリア側の湖は1977年、ハンガリー側の湖は1979年にユネスコの生物圏保護区に指定され、また、1983年以来、ラムサール条約に基づく保護区にも指定されています。ただし、世界遺産の価値としては、文化遺産としての価値のみ認められており、湖自体の世界遺産の価値は見出されていません。では、何が評価されたのかというと、ここで約8,000年前から育まれた異文化の交流と、そこから生まれた独特な文化的景観という点です。
地域: ヨーロッパ / 国名: オーストリア共和国, ハンガリー / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2001年 / 登録基準: (v)
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ヨーロッパの大温泉都市群

The Great Spa Towns of Europe
ヨーロッパの大温泉都市群
イタリア、英国、オーストリア、チェコ、ドイツ、フランス、ベルギーの7ヵ国に点在する11の温泉都市で構成される、国境を越えたひとつの世界遺産です。18世紀初頭から1930年代にかけて、ヨーロッパにおける温泉文化が最も隆盛を極めたことを示しています。これらの都市は、互いに影響しあいながら街づくりをし、絵画のような景観の中で、美しくデザインされたレクリエーション施設や治療・療養環境が整えられていきました。ヨーロッパの温泉文化の発展に貢献した数百の温泉地の中でも、最も洗練された大規模な都市が世界遺産に選ばれました。そのひとつである英国の「バース」は、古代ローマの温泉の遺構が残る現役の温泉施設で、1987年に『バースの市街』として単独でも世界遺産に登録されています。
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