世界最古級の独立型石造建築物である「マルタの巨石神殿群」は、紀元前4000年から3000年頃に築かれたものです。地中海のマルタ島やゴゾ島に残る先史時代の神殿は30基以上もあり、そのうちの7つが世界遺産に登録されています。これらはほかのヨーロッパ地域では見当たらない巨石文化です。建造物はそれぞれ構成も建築技法も異なっているので、独自の発展を遂げたものだと考えられています。これらの巨石神殿群の中でも最も古いとされる、ゴゾ島にあるジュガンティーヤ神殿は、重さが数トンもある石灰岩の巨石を積み上げた外壁が荒々しく、巨人に建てられたという伝説が残っているのもうなずけるような迫力です。