World Heritage Sites

スロベニア共和国 | 世界遺産一覧

アルマデンとイドリア-水銀鉱山の遺跡

Heritage of Mercury. Almadén and Idrija
アルマデンとイドリア-水銀鉱山の遺跡
スペインのアルマデンとスロベニアのイドリアは、近年まで世界最大の水銀鉱山として名を馳せてきました。アルマデンでは古代から水銀の抽出が行われており、イドリアでは1490年に水銀が発見されます。そして、両地点ともハプスブルク家出身のスペイン国王フェリペ2世の時代にスペインの領土であったことから、水銀の供給拡大へ大きく関わっていきました。現在、世界的に毒性の強い水銀の使用は禁止される方向にあることから、消えていく技術や産業文化を伝える貴重な遺跡とも言えます。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン, スロベニア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2012年 / 登録基準: (ii)(iv)
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カルパティア山脈と他のヨーロッパ地域のブナ原生林

Ancient and Primeval Beech Forests of the Carpathians and Other Regions of Europe
カルパティア山脈と他のヨーロッパ地域のブナ原生林
ヨーロッパの広範囲に広がる10種のブナ原生林は、氷河期後期からの生物進化やブナの分化の過程が知れる貴重な遺産です。ブナの他にもヨーロッパナラをはじめ、絶滅の危機に瀕した80種を含む1,067種の植物や101種の鳥類、73種の哺乳類などが登録地に生息しています。また、広大な森林には、IUCNのレッドリストにも記載されているキンメフクロウも生息しています。2007年にスロバキアとウクライナの世界遺産として登録されましたが、その後、登録範囲が順次拡大されていきました。この地のブナ原生林は、現存するヨーロッパブナ(ファグス・シルヴァティカ)の原生林として世界最大であり、その中には世界最樹高のブナの標木も含まれています。
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シュコツィアンの洞窟群

Škocjan Caves
シュコツィアンの洞窟群
スロベニア南西部のクラス高原に位置する413万㎢にも及ぶ保護区で、世界最大級の地下河川渓谷の一つでもある、類い希な石灰岩洞窟群です。この壮大な地下渓谷は、クロアチアとの国境付近を源流とするレーカ川が石灰岩を削って作り上げた地形で、レーカ川はシュコツィアン村のすぐ東側で一旦地下に入り、村のすぐ西側にあるヴェリカとマラと呼ばれる二つの大きなドリーネで顔をのぞかせた後、アドリア海の最深部のトリエステ湾にそそぐティマヴォ川の水源となるまで約30㎞以上も地下を流れていきます。長さ3.5km、幅10~60m、高さ100mを超えるシュメチャ川をはじめとする地下渓谷の延長は6kmにも及び、多数の地下空間を形成しています。中でも最大のマルテルホールは容積約220万㎥を誇り、スロベニアで発見された最大の地下空間であり、世界でも最大級の地下空間の一つと考えられています。また、洞窟群とその周辺地域は、カルスト地形の主要な場所となっており、「カルスト」や「ドリーネ」の語源としても知られています。
地域: ヨーロッパ / 国名: スロベニア共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1986年 / 登録基準: (vii)(viii)
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リュブリャナにあるヨジェ・プレチニクの作品群:人間中心の都市デザイン

The works of Jože Plečnik in Ljubljana – Human Centred Urban Design
リュブリャナにあるヨジェ・プレチニクの作品群:人間中心の都市デザイン
大戦間期は、オーストリア・ハンガリー帝国の崩壊を受けて、中欧や東欧において独立国家や都市の建設プロジェクトが惹き起こされた時代です。各地で起こったモダニズム(近代建築)運動による都市建設とは異なり、建築家ヨジェ・プレチニクは、都市に暮らす「人間」を中心としたアプローチを行っています。緑の遊歩道や水路沿いの遊歩道を都市の軸として捉え、それを中心として旧来の教会や庭園といった施設なども都市のネットワークの構成要素として構築しています。他の都市計画における「機能」のみを優先した都市計画ではなく、様々な用途を結びつけることで、都市全体に新たなアイデンティティをもたらしました。
地域: ヨーロッパ / 国名: スロベニア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2021年 / 登録基準: (iv)
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