ボリビア南部、植民地時代の記憶を今に伝えるポトシは、アンデス山の標高約4,000mに位置します。1542~1545年にかけて、ここで世界最大級の銀鉱脈が発見され、ヨーロッパの経済を一変させることになりました。後に「セロ・リコ」(富の山)と名付けられたこの銀山を効率的に運営するために、スペイン人によって建設された街がこのポトシです。銀を精錬する際には、水銀を用いたアマルガム法という当時の最新技術が用いられ、17世紀半ばまでの約100年間で、世界の銀産出量の約半分を占めました。ヨーロッパへの莫大な銀の流入は価格革命をもたらし、後の資本主義体制への移行の基盤となったとも言われています。