about
サハラ砂漠への玄関口の要塞村
モロッコの首都ラバトから南に約300km進んだアトラス山脈の南麓に位置するアイット・ベン・ハドゥは7世紀に北アフリカの先住民ベルベル人が築いた要塞の村です。一帯にはイスラム勢力から逃れてきた人々が建てたクサールと呼ばれる要塞化した村があります。アイット・ベン・ハドゥは保存状態が最もよいクサールのひとつです。この地域はサハラ砂漠の玄関口であり、この要塞村はサハラ砂漠手前の地域の土造り建物技術の完全な概観を示す建物です。またこの地域は古代スーダンとマラケシュとを結ぶ商業ルートの多くの交易拠点のひとつでもありました。
数々の映画撮影が行われた特徴的な要塞村
クサールは要塞に囲まれた土造りの建物の集合体です。路地は複雑に入り組んでおり、住宅には侵入者を防ぐための工夫がいくつも施されています。村の丘の上にはアガディールと呼ばれる見張り台を兼ねた穀物倉庫があります。早い段階からこのような構造や技術は確認されていますが、建物自体は耐久性に乏しく、現存する最古の建物は17世紀までのものしか残っていません。また数々の映画がこの地で撮影されてきました。ゲーム・オブ・スローンズやグラディエーターもこの地で撮影が行われました。
要塞村の家:カスバ
要塞に囲まれた村にはカスバと呼ばれる複数階建ての建物が建ち並んでいます。カスバは1階が馬小屋、2階が食糧倉庫、3階以上が居住空間となっています。これらの建物の使用材料は土と木で、土を練り固めて建築されています。土造りの建物はこの土地の気候条件や自然環境、社会環境に適合し、調和しています。
アクセス
マラケシュより車で約4時間。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
アクセス
マラケシュより車で約4時間。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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