アクスムの考古遺跡
アクスムのオベリスク。2005年にイタリアから返還され、2008年に元の場所に立てられた

遺産DATA

地域 : アフリカ 保有国 : エチオピア連邦民主共和国 所在地 : Tigrai Region 分類 : 文化遺産 登録年 : 1980年 登録基準 : (i) (iv) 座標 : N14 7 48.684 E38 43 7

about

キリスト教を受容した古代アフリカの国

エチオピア北部ティグレ州にある『アクスムの考古遺跡』は、かつてのアクスム王国の繁栄を知ることができる貴重な遺跡です。アクスム王国の歴史は古く、1世紀前後に建国されたと言われています。以降、9世紀頃までビザンツ帝国やササン朝ペルシアなどと対峙しながらも象牙貿易などで繁栄しました。しかし、7世紀にイスラーム勢力が拡大すると、衰退に向かいます。滅亡した時期は未だ断定されておらず、950年頃や1137年頃という説が有力です。アクスム王国は古代アフリカの国としては珍しくキリスト教を受容し、国教としていきます。なお、このキリスト教とは、451年のカルケドン公会議で異端となったキリスト単性説を教義とするものであり、ローマ・カトリック教会とは異なります。

当時の様子を物語る石柱

やはり1,500年以上前の都市であることから、ほとんどの建築物は崩壊しており、無数の石柱が残るのが目立ちます。これらの石柱はオベリスクと呼ばれ、花崗岩でつくられており、エチオピアの人にとって愛する祖国の象徴となっています。アクスムには3~4世紀建造のオベリスクが数基現存していますが、残念ながらほとんどが倒壊しています。現存する最も高いオベリスク(「アクスムのオベリスク」と言われる)は高さ23mもあり、アクスム人の9階建ての建物を精巧に模したものです。また、おそらく作業中に倒れてそのまま放置されたとみられるオベリスクは33mもの長さがあり、古代の人々が建立を試みた一枚岩の石碑としては、最大規模と考えられています。なお、この場所には、モーセの十戒を刻んだ石板を納めた「契約の箱(アーク)」があると信じられており、アクスム王国最盛期の王エザナの時代に創建された、シオンのマリア教会に保管されていると言われています。現在の教会は17世紀に再建されたものですが、エチオピア正教徒にとって聖地となっています。

アクセス

首都アディスアベバからアクスム空港まで飛行機で約90分。そこから車で約15分。

執筆協力者PROFILE

京都橘大学・大阪成蹊大学講師/NPO世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。

遺産DATA

地域 : アフリカ
所在地 : Tigrai Region
分類 : 文化遺産
登録年 : 1980年
登録基準 : (i) (iv)
座標 :N14 7 48.684 E38 43 7

アクセス

首都アディスアベバからアクスム空港まで飛行機で約90分。そこから車で約15分。

執筆協力者PROFILE

京都橘大学・大阪成蹊大学講師/NPO世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。