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最盛期を誇った旧石器時代のヨーロッパ洞窟壁画
アルタミラ洞窟を含むスペイン北部の18の洞窟では、紀元前3万5000年〜前1万1000年の旧石器時代に洞窟壁画技術が絶頂期を迎えたことを示しています。氷河期末の前1万7000〜前1万3000年頃、西ヨーロッパではマグダレニアンと呼ばれる芸術的到達点が訪れます。しかし、前1万3000年〜前1万1000年頃にかけての気温上昇によって人類の生活スタイルが変化したことで、洞窟美術は衰退していきます。ラス・マデダス洞窟の壁画を最後に、前1万1000年以降、洞窟壁画は描かれなくなったと考えられています。
今に残る洞窟壁画技術
アルタミラ洞窟やエル・カスティーリョ洞窟の壁画は、多彩なモチーフと極彩色の色づけなどからマグダレニアン美術の代表例とされています。これらでは、獣脂に黄土と木炭、マンガン酸化物などを溶かして着色し、岩肌の凹凸を活かしながらぼかしの技術を使って立体感を出すなど、高度な壁画技術がうかがえます。描かれたモチーフにはバイソンや馬、鹿、イノシシなどの動物や人体、記号などがあります。
原則非公開のアルタミラ洞窟
これらの壁画群は洞窟の奥深くに描かれており、気候の影響を受けなかったため、保存状態が非常に良好です。人の立ち入りによる環境の変化は、壁画に悪影響を及ぼす可能性があるため、洞窟の一般公開は制限されており、発見以来ほぼ無傷の状態で保存されてきました。アルタミラ洞窟の壁画のレプリカは、洞窟に隣接する「アルタミラ国立博物館・研究センター」で展示されています。
アクセス
マドリードからトレラベガまで電車で約4時間。トレラベガからアルタミラ博物館のある最寄り街「サンティリャーナ・デル・マル」までタクシーで約30分。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
アクセス
マドリードからトレラベガまで電車で約4時間。トレラベガからアルタミラ博物館のある最寄り街「サンティリャーナ・デル・マル」までタクシーで約30分。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
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