古代高句麗王国の都城と古墳群
「将軍塚」と呼ばれる古墳。王族の墓と考えられている

遺産DATA

地域 : 東・東南アジア 保有国 : 中華人民共和国 所在地 : 吉林省通化市 分類 : 文化遺産 登録年 : 2004年 登録基準 : (i) (ii) (iii) (iv) (v) 遺産の面積 : 41.648599㎢ バッファ・ゾーン : 141.424404㎢ 座標 : N41 9 51.20 E126 6 55.90(丸都山城)

about

山との調和を重視した“理想の都”

『古代高句麗王国の都城と古墳群』は、中国の吉林省集安市及び遼寧省桓仁満族自治県周辺に位置する世界遺産です。五女山城や国内城、丸都山城といった王国初期の都市遺跡に加え、王の碑や王陵、貴族の墓群が登録されています。丸都山城には、広大な宮殿跡や37の墳墓が残り、山と調和するように設計された都市計画となっています。防御性と自然美を兼ね備えた山城の構造は、後の東アジアの城づくりにも大きな影響を与えました。最初の都とされる五女山城は、現在も発掘調査の途上にあり、全容はいまだ明らかになっていません。しかし、どちらも人と自然が一体となった都市の歴史が残っており、高句麗の文化と世界観を今に伝えています。

王と貴族をまつる壮大な古墳群

古代高句麗王国の都の周辺には、王族と貴族のための40基もの古墳が点在しています。石を積み上げて造られた階段状の王陵や、壁画で飾られた貴族墓など、当時の建築技術と美意識の高さが感じられます。内部の壁画には、日常生活や狩り、神話の世界などが描かれ、人々の暮らしや信仰をいきいきと伝えています。支配者の力だけでなく、芸術や精神文化の豊かさも感じられるこれらの古墳は、消えた文明の姿を今に蘇らせる貴重な証拠となっています。

政治・文化の中心として長く栄えた国内城

吉林省の集安にある国内城は、高句麗の政治・文化の中心として長く栄えた都市です。首都が平壌に移った後も、国内城は副都のような役割を果たし続けました。平地に築かれた石造の城壁や、宮殿跡、居住区の跡などからは、当時の都市計画の高さがうかがえます。戦乱によって破壊と再建を繰り返しながらも、何世紀にもわたり活気を保った国内城です。その姿は外の文化を取り入れながらも独自の誇りを貫いた高句麗のたくましさを象徴しています。

アクセス

瀋陽や長春からバスや鉄道で集安へ。集安市街から丸都山城まではタクシーで30分ほど。

執筆協力者PROFILE

NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター/Podcast「行きたくなる世界遺産!」パーソナリティ

世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。

遺産DATA

所在地 : 吉林省通化市
分類 : 文化遺産
登録年 : 2004年
登録基準 : (i) (ii) (iii) (iv) (v)
遺産の面積 : 41.648599㎢
バッファ・ゾーン : 141.424404㎢
座標 :N41 9 51.20 E126 6 55.90(丸都山城)

アクセス

瀋陽や長春からバスや鉄道で集安へ。集安市街から丸都山城まではタクシーで30分ほど。

執筆協力者PROFILE

NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター/Podcast「行きたくなる世界遺産!」パーソナリティ

世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。