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登録範囲が拡大された自然遺産
世界で4番目に大きな島であるマダガスカルは、中央部の山地を境に東側と西側で気候が大きく異なる国です。雨が多い東側に対し、「アンドレファナの乾燥林群」がある西側は年間を通して雨が少ない自然環境です。ここで見ることができるバオバブは、乾燥に適応して、幹に水分を蓄えることができるように進化しました。なお、アフリカ大陸では1種類のみのバオバブは、マダガスカルでは6種もあります。この遺産は、アンカラファンツィカ、ミケア、ツィンギー・ド・ベマラハ、ツィマナンペツォツァの4つの国立公園と、アナラメラナおよびアンカラナの特別保護区で構成されています。1990年に単体で登録されていた「ツィンギー・ド・ベマラハ厳正自然保護区」が、2023年に登録範囲を拡大したものです。
地球の進化のプロセスを物語る独特の景観
「尖った石の森」とも形容されるツィンギー・ド・ベマラハ国立公園には、高さが100mにも達する、先が尖った石槍のような岩が密集しています。奇怪ともいえるこの景観は、石灰岩のカルスト大地が何万年ものあいだ雨に侵食されて出来上がった自然の産物であり、地球の進化のプロセスを壮大に物語ります。この奇岩地帯では、雨が降っても岩の亀裂や溝から染み込んでしまいます。そのため、葉や茎に水分を貯められるアロエなど乾燥地にも強い植物が育ちます。また、現地では「不吉な動物」とみなされているアイアイは、最も希少なキツネザルの一種です。現在では島全体で数百匹しかいないとされており、絶滅が危惧されています。
アクセス
ツィンギー・ド・ベマラハ国立公園へは首都アンタナナリボから国内線でムルンダヴァへ所要約1時間、そこから車で数時間かけて移動。ハイキングを含むツアーの利用が便利。
執筆協力者PROFILE
 
																	北海道出身。高校時代にAFSでタイ王国へ交換留学。その後、同志社大学へ進学し、卒業後は専門紙記者として10年働いたのち、一般メディアで編集および取材活動に従事。世界遺産検定マイスター。特に好きな分野は、一神教などの宗教・信仰関連遺産。趣味は華道。
アクセス
ツィンギー・ド・ベマラハ国立公園へは首都アンタナナリボから国内線でムルンダヴァへ所要約1時間、そこから車で数時間かけて移動。ハイキングを含むツアーの利用が便利。
執筆協力者PROFILE
 
															北海道出身。高校時代にAFSでタイ王国へ交換留学。その後、同志社大学へ進学し、卒業後は専門紙記者として10年働いたのち、一般メディアで編集および取材活動に従事。世界遺産検定マイスター。特に好きな分野は、一神教などの宗教・信仰関連遺産。趣味は華道。
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