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アンコール朝の繁栄を伝える広大な遺跡群
アンコール遺跡群は9~15世紀にかけてのクメール王朝の首都で、当時の繁栄を現代に残しています。400㎢という広大な範囲に、600以上の寺院や水利施設などの遺構が残っています。登録エリア内には多くの村が点在し、アンコール朝の時代まで祖先が遡る村も存在します。アンコール朝の歴代の王は即位のたびに都城と寺院を造営し、自身を神格化させました。クメール美術が花開いた地域であると同時にクメール美術を代表する地域でもあり、東南アジア全域に大きな影響を及ぼしました。
カンボジア王国の象徴:アンコール・ワット
アンコール・ワットはアンコール遺跡群の中で最大の寺院で、面積は2㎢です。12世紀前半のスーリヤヴァルマン2世が建設を開始しました。アンコール・ワットは現在のカンボジア王国の国旗にも描かれ、国家の象徴となっています。もともとはヒンドゥー教寺院でしたが、12世紀後半までに仏教寺院に改修されました。そのため寺院にはヒンドゥー教神話を表現したレリーフが数多く残されています。またアンコール・ワットは西向きの配置という他の寺院とは異なる構造になっている点も特徴です。
アンコール・ワットのレリーフとヒンドゥー教
ヒンドゥー教の神であるシヴァ神を祀るために建設されたアンコール・ワットの回廊には多くのヒンドゥー教に関するレリーフがあります。例えば、ヒンドゥー教の聖典とされる叙事詩の『ラーマーヤナ』や『マハーバーラタ』の他にも、ヒンドゥー教の天地創造神話である『乳海撹拌』にまつわるエピソードのレリーフがあります。また建設者であるスーリヤヴァルマン2世の偉業を描いたレリーフもあり、アンコール・ワットのレリーフは見所の一つです。また高さ約65mの尖塔と四方の塔は、神々が住むとされる須弥山を表し、レリーフだけでなく、建物全体でヒンドゥー教の宇宙観を表現しています。
アクセス
2023年に開港した新しいシェムリアップ空港から、バスやチャーター車でシェムリアップ市街まで約1時間。シェムリアップ市街からアンコール・ワットまではタクシーやトゥクトゥクで15分ほど。
執筆協力者PROFILE
																	筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
								
								
								
								
								
								
								
								
								
								Details
										アンコール・トム
Angkor Thom
										バイヨン
Bayon
										バプーオン
Baphuon
										プリヤ・カーン
Preah Khan
										バンテアイ・スレイ
Banteay Srei
アクセス
2023年に開港した新しいシェムリアップ空港から、バスやチャーター車でシェムリアップ市街まで約1時間。シェムリアップ市街からアンコール・ワットまではタクシーやトゥクトゥクで15分ほど。
執筆協力者PROFILE
															筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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