about
4億年以上前に発生した大量絶滅
カナダのケベック州にあるアンティコスティ島では、約4億4,700万~4億3,700万年前のオルドビス紀末からシルル紀初頭にかけての約1,000万年間に堆積した地層を見ることができます。オルドビス紀とシルル紀の境目である「O-S境界」(オルドビスの“O”とシルルの“S”が由来)では、当時地球上に生息していた海洋生物の種の85%が絶滅しました。これはカンブリア紀以降5回発生した生物の大量絶滅(通称「ビッグファイブ」)のうち、最初に起きたものです。アンティコスティ島の厚さ約900mの地層からは、大量絶滅発生前後の生態系の変化と回復の過程を詳細に見て取ることができ、O-S境界期の記録としては世界で最も完全かつ保存状態の良いものとなっています。また1,440種以上の化石が記録されたほか、底生動物群や微小生物の体の柔らかい部分まで保存されたラーゲルシュテッテン(特に保存状態の良い化石が見られる堆積層)も発見されています。
大量絶滅前後と回復の過程を物語る地層
オルドビス紀とシルル紀は、地質区分では古生代に分類され、カンブリア紀に次ぐ地質時代です。約4億8,500万~4億4,400万年前の約4,100万年間にわたって続いたオルドビス紀には、「オルドビス紀の生物大放散事変」と呼ばれる爆発的な進化と適応放散が進み、科・属・種レベルで分類学的多様性が大きく拡大しました。三葉虫やサンゴ、腕足類、海綿動物、棘皮動物など、海洋無脊椎動物が繁栄していました。しかしオルドビス紀末に寒冷化が進み、地球史上初となる大規模な生物の大量絶滅が発生すると、海洋生物の科の約26%、属の約60%、種の約85%が姿を消しました。生態系が回復するまでにはおよそ400万年を要したと考えられています。その後のシルル紀初期には、無脊椎動物の多様化が進み、個体数が増加したことが分かっています。なお、大量絶滅の原因としては氷床の急速な発達や火山活動などさまざまな仮説が立てられていますが、断定には至っていません。

アクセス
成田空港からモントリオールまで直行便で約13時間。モントリオールからケベック州の港湾都市セティルまで飛行機で約3時間、セティルからアンティコスティ島のポール・ムニエ空港まで約20分。船でも島を訪れることができるが、貨物船のためセティルを出発してから島に着くまで12時間弱かかる。
執筆協力者PROFILE
東京外国語大学言語文化学部卒。在学中にパレスチナやヨルダンなど中東地域への留学を経験。大手メディア企業勤務を経て、2021年より現職。書籍やテレビ番組等の監修を行う。
アクセス
成田空港からモントリオールまで直行便で約13時間。モントリオールからケベック州の港湾都市セティルまで飛行機で約3時間、セティルからアンティコスティ島のポール・ムニエ空港まで約20分。船でも島を訪れることができるが、貨物船のためセティルを出発してから島に着くまで12時間弱かかる。
執筆協力者PROFILE
東京外国語大学言語文化学部卒。在学中にパレスチナやヨルダンなど中東地域への留学を経験。大手メディア企業勤務を経て、2021年より現職。書籍やテレビ番組等の監修を行う。
Similar Heritage
特徴が似た遺産を探す