カサ・ミラ
アントニ・ガウディが手掛けた最後の民間建築。現在も居住者がいる

構成資産DATA

ニックネームは石切り場を意味する「ラ・ペドレーラ」

カサ・ミラは建築家アントニ・ガウディが彼独自の手法を確立した円熟期にあたる1906年から1912年にかけて建設され、ガウディにとって最後の個人注文主による建築物となりました。バルセロナのグラシアス通りに、オーナーのペレ・ミラとロサリオ・セギモンの住居を1階に、2階から5階には王侯、外交官、起業家、俳優、芸術家、政治家、ジャーナリストなど多彩な人たちが住む賃貸用共同住宅として完成しました。しかし当初、カサ・ミラの革新性は理解されず、新聞にはカタルーニャ語で「ラ・ペドレーラ(石切り場)」と酷評され、その装飾が気に入らなかったロサリオ・セギモンは、ガウディの死後、自分の階の一部を取り壊すように命じたこともありました。スペイン内戦中に共和国政府に押収されて各部門の本部が置かれた時代もありましたが、現在は賃貸住宅やオフィス、店舗としての入居も行われ、博物館となっている最上階と屋上や住居部分の一部は見学することができます。

カサ・ミラ
地中海をイメージした波打つような外観が特徴のひとつ。壁ではなく柱で荷重を支えている(©Unexpected Catalonia/Unsplash)
居住エリア
カサ・ミラの居住エリア(©djedj/Pixabay)

個性的な外壁と創造性にあふれる屋上

カサ・ミラの石造りの外壁は石切り場に例えられ、建物を支える役割はなく、約6,000個の石材ブロックが金属製の部材で構造体に固定されている構造をしています。窓、バルコニー、出窓を組み合わせた外壁の波打つようなデザインは個性的で、昼間は太陽の動きに合わせて異なる表情を見せてくれます。カサ・ミラの波打つ曲線の屋根の上には、機能性を持ちながらも創造性にあふれる形の階段、換気塔、煙突が作られています。バルセロナを象徴する外観を持つカサ・ミラは、この地で撮影される映画の舞台としても多く登場しています。

屋上
カサ・ミラの屋上には、独創的なデザインの煙突や換気塔がある(©Sung Shin/Unsplash)
中庭
プロヴェンサ通りに近い楕円形の中庭(©Rosy Ko/Unsplash)
入口
入口の鉄製ドアには大小さまざまなガラスが使用されている。中央は車両、両脇は住民が通れるようになっている(©Manuel Torres Garcia/Unsplash)
屋根裏部屋
現在は展示スペースとなっている屋根裏部屋。洗濯物を干す場所や、倉庫として使用されていた(©Manuel Torres Garcia/Unsplash)

 

執筆協力者PROFILE

高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

兵庫県出身。中学3年生の夏休みの台湾ひとり旅をきっかけに、旅行先の歴史・景色・料理など、世界を知る魅力のとりこになる。「世界遺産を学習して見て感動して」をモットーに活動。全国通訳案内士の資格も有し、日本の魅力も発信している。

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執筆協力者PROFILE

高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

兵庫県出身。中学3年生の夏休みの台湾ひとり旅をきっかけに、旅行先の歴史・景色・料理など、世界を知る魅力のとりこになる。「世界遺産を学習して見て感動して」をモットーに活動。全国通訳案内士の資格も有し、日本の魅力も発信している。