構成資産DATA
未完成の教会の地下礼拝堂
コロニア・グエル教会地下礼拝堂は、バルセロナ市の郊外サンタ・コロマ・ダ・サルバリョにあります。繊維業で成功を収めていたエウゼビ・グエルは、自身の工場をこの場所に移転し、それに伴って工場労働者のための住居や学校、商店、劇場、教会など、街を丸ごとつくる計画を立てました。フランセスク・ベレンゲーやジョアン・ルビオなど、カタルーニャ出身の建築家が街の設計に参加し、その中で教会を任されたのがアントニ・ガウディでした。ガウディは、1898年の設計依頼から、教会の模型を作るのに10年を費やし、実際の建設工事に着手したのは1908年でした。しかし着工から6年後に依頼主のグエルが亡くなると、その跡を継いだ息子たちは教会の建設には消極的でした。さらに、ガウディ自身もサグラダ・ファミリアの建設に専念し始めていたため、完成したのは地下礼拝堂にとどまり、教会全体は未完成に終わってしまいました。
サグラダ・ファミリアを建設するための実験場
ガウディはコロニア・グエル教会の建設にあたり、まずその模型作りから始めました。天井からたくさんの紐をU字になるようにぶら下げ、そのU字の底の部分に重りを下げていきます。すると紐は重力によってきれいな曲線を描きます。ガウディは、この紐の形を上下逆さまにひっくり返すと、建物として最も安定した形になることを発見したのです。この模型で実験された「逆さ吊り構造」は「フニクラ」と呼ばれ、その後のサグラダ・ファミリア建設にも取り入れられました。コロニア・グエル教会地下礼拝堂は、建築家ガウディにとっての重要な実験場であり、ガウディ自身も「この教会が完成していれば、サグラダ・ファミリアの巨大な模型になっていただろう」と語り、彼の建築を理解するうえでもとても重要な資料となっています。
執筆協力者PROFILE
兵庫県出身。中学3年生の夏休みの台湾ひとり旅をきっかけに、旅行先の歴史・景色・料理など、世界を知る魅力のとりこになる。「世界遺産を学習して見て感動して」をモットーに活動。全国通訳案内士の資格も有し、日本の魅力も発信している。
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兵庫県出身。中学3年生の夏休みの台湾ひとり旅をきっかけに、旅行先の歴史・景色・料理など、世界を知る魅力のとりこになる。「世界遺産を学習して見て感動して」をモットーに活動。全国通訳案内士の資格も有し、日本の魅力も発信している。