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メソポタミアで繁栄したアッシリア帝国最初の首都
バグダードの北約390km、メソポタミアのチグリス川中流域に位置するアッシュルは、かつて存在したアッシリア帝国最初の首都となった都市です。現在ではカラット・シェルカットと呼ばれています。都市の起源は紀元前3千年紀前半、シュメール人の初期王朝が存在していた時代に遡ります。アッカド帝国(紀元前2334~前2154年頃)の時代には重要な中心地であり、ウル第3王朝(紀元前2112~前2004年頃)には統治下に置かれていました。紀元前14世紀から前9世紀にかけては、アッシリア帝国の都が置かれ、西アジアの交易都市として発展していきます。しかし、紀元前612年に新バビロニアとメディアにより破壊され、その後1~2世紀のパルティア時代に都市は再建されました。
開発問題とたたかう土に覆われた都市遺跡
アッシリア神話の最高神アッシュルをまつる宗教拠点として栄えた都市の遺跡には、ジッグラト(聖塔)や宮殿跡などが含まれていますが、遺跡の大部分は土に埋もれたままの状態となっています。20世紀初期になると大規模な発掘が進み、楔形文字で書かれた史料も出土されました。この貴重な遺跡は、付近のダム建設計画により浸水が危惧されたことで世界遺産登録と同時に危機遺産にも登録されました。建設計画は中断されましたが、今日も予断を許さない状況が続いています。
アクセス
アルビール国際空港から車で約2時間半。 ※情勢が不安定なため渡航については確認が必要
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
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アルビール国際空港から車で約2時間半。 ※情勢が不安定なため渡航については確認が必要
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
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