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アッシジが生んだ聖人フランチェスコ
中世の面影を残す街並みを持つ都市アッシジは、ローマの北約130㎞の位置にあるスバジオ山の斜面に扇状に広がります。この街の裕福な商人の家に生まれたフランチェスコは、戦争で捕虜となり熱病に侵された際に、神の啓示を受けたとされています。やがて、説教活動を始め、愛と平和を説き、貧しくあることが神の道としました。そして、清貧であることを実践する彼の教えに感銘を受けた同志と共に、フランシスコ修道会を設立しました。アッシジの貴族の令嬢であったキアラは、フランチェスコに弟子入りして、フランシスコ会の女子修道会を設立しました。
建築と芸術の発展に影響を与えた建造物群
聖フランシスコの死から2年後、アッシジの丘に、彼を称えるための聖堂の建設が始まり、イタリア・ゴシック建築を代表するものとなりました。そのサン・フランチェスコ聖堂は、丘の斜面に建てられたために横幅がとれず、高く細長い構造を持ち、段差のある上下2つの教会が連なる形となりました。上の建物の回廊の内壁は、聖人の生涯を描いたフレスコ画で飾られました。その画の中には、イタリア・ルネサンスの芸術家であるジョットによる「小鳥への説教」があり、小鳥たちが木の枝から降りて聖フランチェスコの話に聞き入ったというエピソードを描いています。丘の一角には、キアラを祀るサンタ・キアラ聖堂があり、ピンクと白の2色の石が美しい縞模様を見せています。これらの建造物は、1997年の地震により多大な損傷を受けましたが、ボランティアの活動もあり、2000年までに修復が完了しました。
アクセス
ローマのテルミニ駅から列車で約2時間(フォリーニョ乗り換え)。アッシジ、サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ駅から市内マッテオッティ広場までバス。
執筆協力者PROFILE
米国総合化学会社の日本法人にて海外人事部門などで40年間勤務した後、筑波大学大学院人間総合科学研究科世界文化遺産学専攻の博士課程を修了。博士(世界遺産学)。日本造園学会会員。日本シルク学会会員。元大東文化大学国際関係学部非常勤講師。
アクセス
ローマのテルミニ駅から列車で約2時間(フォリーニョ乗り換え)。アッシジ、サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ駅から市内マッテオッティ広場までバス。
執筆協力者PROFILE
米国総合化学会社の日本法人にて海外人事部門などで40年間勤務した後、筑波大学大学院人間総合科学研究科世界文化遺産学専攻の博士課程を修了。博士(世界遺産学)。日本造園学会会員。日本シルク学会会員。元大東文化大学国際関係学部非常勤講師。
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