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フランス王の影響下に教皇が置かれた時代の象徴
フランス南部のローヌ川沿いにあるアヴィニョンは、今は小さく静かな街ですが、歴史的にみるとキリスト教カトリック世界の中心地として大きな影響力をもった場所でした。フランス王フィリップ4世と教皇ボニファティウス8世の対立から始まる、教皇権と王権の優位を巡る争いにより、フィリップ4世の意向の下でボニファティウス8世の次の教皇クレメンス5世が1309年に教皇庁をアヴィニョンに遷しました。そこから1377年までの68年間、教皇庁宮殿が築かれ、ノートルダム・デ・ドン大聖堂にゴシック様式の礼拝堂などが増築されたほか、貴族や芸術家、文化人が訪れる華やかな宗教都市として発展しました。
要塞としても機能した教皇庁宮殿
教皇庁宮殿は、14世紀に築かれたゴシック建築の傑作のひとつです。1335年に戴冠した教皇ベネディクトゥス12世の下で司教館の改築が進められた旧宮殿(パレ・ヴュー)は、画家マッテオ・ジョヴァネッティが装飾を施した聖ヨハネ礼拝堂に通じる枢機卿会議広間と、同じくジョヴァネッティが装飾したグラン・ティネル(大食堂)などが特徴です。入り口には、中世の塔の中で最も高いもののひとつとされるトゥルイヤの塔と、キュイジーヌの塔の2つがそびえ、華やかである反面、対立の時代も反映して要塞のようにも見えます。南側には次の教皇クレメンス6世がたてた新宮殿(パレ・ヌフ)があり、大謁見の間とフレスコ画が美しい雄鹿の間、大礼拝堂があります。
「アヴィニョンの橋の上で」でも知られるサン・ベネゼ橋
教皇庁宮殿の北側には1150年に建設されたノートルダム・デ・ドン大聖堂があり、そのさらに北側には現在美術館となっているプティ・パレ(小宮殿)があります。ここはかつて枢機卿の住居でした。そしてアヴィニョンで最も特徴的な景観を生んでいるのが、ローヌ川にかかるサン・ベネゼ橋です。1185年に22のアーチをもつ石橋として完成しましたが、戦争や洪水によって何度も流され、その度に再建が繰り返されました。しかし1669年の洪水によって4つのアーチを残して流されると、その後は再建されることはありませんでした。
アクセス
パリのリヨン駅からTGVでアヴィニョン中央駅まで約3時間。そこから教皇庁宮殿まで徒歩で約15分。
執筆協力者PROFILE
北海道大学大学院博士後期課程を満期単位取得退学。仏グルノーブル第Ⅱ大学留学。2008年より現職。世界遺産に関するさまざまな書籍の編集・執筆・監修を手掛けるほか、「チコちゃんに叱られる!」(NHK)などの多くのメディア出演や、全国各地で100本を超す講演・講座を実施している。著書に『13歳からの世界遺産』(マイナビ出版)、『世界遺産のひみつ』(イースト・プレス)など。
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パリのリヨン駅からTGVでアヴィニョン中央駅まで約3時間。そこから教皇庁宮殿まで徒歩で約15分。
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北海道大学大学院博士後期課程を満期単位取得退学。仏グルノーブル第Ⅱ大学留学。2008年より現職。世界遺産に関するさまざまな書籍の編集・執筆・監修を手掛けるほか、「チコちゃんに叱られる!」(NHK)などの多くのメディア出演や、全国各地で100本を超す講演・講座を実施している。著書に『13歳からの世界遺産』(マイナビ出版)、『世界遺産のひみつ』(イースト・プレス)など。
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