バガン
多くの仏塔が立ち並ぶ世界三大仏教遺跡のひとつ

遺産DATA

地域 : 東・東南アジア 保有国 : ミャンマー連邦共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 2019年 登録基準 : (iii) (iv) (vi) 遺産の面積 : 50.0549㎢ バッファ・ゾーン : 181.4683㎢ 座標 : N21 8 56 E94 53 4

about

仏塔が数多く立ち並ぶ仏教遺跡

ミャンマーのエーヤワディー川沿いに位置するバガンは3,000以上の仏塔パゴダが立ち並んでおり、カンボジアのアンコールワットとインドネシアのボロブドゥールと並んで世界三大仏教遺跡の一つに数えられています。上座部仏教の功徳を得るために数多くの仏塔が建設され、他に例を見ない仏教芸術と仏教建築の神聖な景観が構築されていきました。構成資産には仏塔だけでなく、寺院やフレスコ画、考古遺跡や彫刻も含まれています。 

ミャンマー最初の統一王朝バガン朝の都

バガンはミャンマーで最初の統一王朝であるバガン朝の都でした。バガン朝は1113世紀にかけて隆盛しました。13世紀なると衰退し、元朝との戦いに破れ13世紀末に最終的に滅亡しました。衰退の理由は過度な仏教建設が影響したともいわれており、王朝末期の仏塔は小型化する傾向にあります。バガン朝はエーヤワディー川の水上輸送で影響力をもっており、河川沿岸を介して王朝に仏教文化が伝わりました。 

バガンの被害と保全活動

イギリスからの独立後、ミャンマーでは少ない人数と予算でバガンを保全する必要があり、その作業は非常に困難なものでした。また12世紀以降たびたび地震の被害に見舞われたという記録もあり、1975年のバガン周辺を震源とする地震では多数の建造物が被害に遭いました。また2016年にも大きな地震に見舞われ、ユネスコなどの国際機関とミャンマー政府が連携して、保全活動が続けられています。 

アクセス

ニャウンウー空港からタクシーまたはヤンゴンからバスで10時間。ヤンゴンやマンダレーからのリバークルーズでのアクセスも可能。

執筆協力者PROFILE

角濱 さくら
角濱 さくら
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/大学生

筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。

Properties

タビニュ寺院

タビニュ寺院

Thatbyinnyu Temple

高さ61mの仏塔でバガンのなかで最も高いとされる建造物のひとつ。また12世紀半頃に建設された二層構造の大型寺院。タビニュとは「無限の知恵」という意味。仏像は地階ではなく上層に安置されている。
アーナンダ寺院

アーナンダ寺院

Ananda Temple

1091年チャンシャック王により建設。芸術的にも美しいことから、バガンで最もあがめられている仏塔のひとつとされる。塔の先端はティー(hti)と呼ばれる金箔が施されている。寺院中央には4体の仏像がありうち2体は火災で焼失し、後世に作り直された。
マハーボディ寺院

マハーボディ寺院

Mahabodhi Temple

高さ41mの2層構造でブッダが悟りを開いた場所とされるインドのブッダガヤのマハーボディ寺院を模して造られた寺院。伝承によるとマハーボディ寺院は1215年にゼーヤテインカ王により建設されたとされる。
シュエサンドー・パゴダ

シュエサンドー・パゴダ

Shwesandaw Pagoda

11世紀初頭に建設された。高さ50mで四方に急な階段が設けられている。シュエサンドーとはミャンマー語で黄金の聖髪という意味。ブッダの聖髪が宝蔵されていると信じられていたためにこの名がついた。

遺産DATA

分類 : 文化遺産
登録年 : 2019年
登録基準 : (iii) (iv) (vi)
遺産の面積 : 50.0549㎢
バッファ・ゾーン : 181.4683㎢
座標 :N21 8 56 E94 53 4

アクセス

ニャウンウー空港からタクシーまたはヤンゴンからバスで10時間。ヤンゴンやマンダレーからのリバークルーズでのアクセスも可能。

執筆協力者PROFILE

角濱 さくら
角濱 さくら
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/大学生

筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。