about
ヨーロッパの鉱山産業を牽引した都市
スロバキア中央部に位置するバンスカー・シチアウニツァは、12世紀半ばに起源をもつスロバキア最古の金・銀を中心とした鉱山都市です。最盛期は17~18世紀頃で、17世紀には鉱山史上初めて、坑道内で火薬樽を爆発させる採掘方法を生み出し、やがてその技術はヨーロッパ中に広がっていきました。また、蒸気機関を使い、より深く坑道を掘る技術も開発していき、当時はヨーロッパの鉱山産業を牽引していた都市であったと言えます。しかし、1918年の第一次世界大戦終了時にオーストリア=ハンガリー帝国が崩壊すると、急速に都市は衰退し、現在は最盛期の人口のおよそ半分となりました。
都市の発展を支えた組織・建築物
スロバキア随一の採掘技術を誇ったこの鉱山では、人々が効率よく作業できる空間や環境が整っていました。1762年には、ヨーロッパ初の鉱山・林業アカデミーが設立され、多くの専門家がここを拠点としていました。また、特筆すべき点は水管理システムです。人工的に造られた貯水池は16世紀に造られ、鉱業のニーズにこたえて都市の人々に新鮮な飲料水を提供しました。また、心の拠り所として、後期ゴシック様式の聖カタリーナ聖堂、バロック様式の聖三位一体広場なども存在し、当時の人々が一生懸命産業に取り組みながらも信仰を大切にしていたということがわかります。
アクセス
首都ブラチスラバから電車で約2時間。バンスカー・シチアウニツァ駅下車。
執筆協力者PROFILE
世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。
アクセス
首都ブラチスラバから電車で約2時間。バンスカー・シチアウニツァ駅下車。
執筆協力者PROFILE
世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。
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