バイロイトの辺境伯オペラハウス

バロック様式の木造劇場

ドイツ、バイエルン州のバイロイトにあるバロック劇場建築の傑作であるオペラハウスは、1745年から1750年にわたり建設されました。現在も完全な形で保存されている唯一の劇場であり、500人の観客を収容できます。内部は木材とキャンバスといった当時の素材が使われています。フリードリヒ辺境伯の妻、マルグラーヴィン・ヴィルヘルミーネの依頼により、著名なイタリアの劇場建築家ジュゼッペ・ガッリ・ビビエーナが設計しました。この劇場は宮廷オペラのための施設でありながら、公の場に建てられ、19世紀の大劇場の先駆けとなりました。木造の階層構造に幻想的なキャンバスの装飾が施され、王侯貴族の祭典や儀式の建築様式を表しています。

ワーグナー愛好家が集まるバイロイト音楽祭

バイロイトでは毎年7月から8月にかけてバイロイト音楽祭が開催されます。会場は辺境伯オペラハウスの近くの祝祭劇場で、音楽祭ではリヒャルト・ワーグナーのオペラ作品のみを上演することで知られています。この音楽祭は、ワーグナーの作品を愛する人々にとって特別なイベントであり、世界中のワグネリアン（ワーグナー愛好家）が集まります。特に『ニーベルングの指環』の上演は注目です。