about
キリスト教徒の重要な巡礼地
死海から北に9kmのヨルダン川の東岸に位置するこの考古遺跡は、ナザレのイエスが洗礼者ヨハネから洗礼を受けた場所であるといわれています。遺跡は預言者エリヤが天に昇ったとされる聖エリヤの丘と、洗礼者である聖ヨハネ教会群の2つの地区で構成されています。ローマ帝国やビザンツ帝国の時代の教会や礼拝堂、修道院、洗礼のための水場などが残っており、古くからキリスト教徒の重要な巡礼地になっています。そのためカトリック教徒だけでなく、正教会や英国国教会など様々な宗派のキリスト教徒がこの地を訪れており、先代のローマ教皇であるフランシスコ法王も2014年に訪れています。
遺跡の再発見
この地は古くからキリスト教の重要な巡礼地として多くのキリスト教徒が訪れてきました。しかし14世紀以降十字軍の勢力が弱まり、ビザンツ帝国が弱体化すると洗礼地は放棄され、巡礼も途絶えました。その後この地はオスマン帝国の支配を受けました。19世紀にエルサレムの学者が洗礼地の位置が示されたマダバの地図を発見し再び関心が高まります。20世紀に入ると相次ぐ世界大戦や紛争によって巡礼地は立ち入り禁止になります。20世紀末にヨルダンの王子が遺跡を視察したことで再び洗礼地への接近が可能になると、調査によって多くの重要な遺跡が発見されました。現在ではキリスト教における重要な巡礼地として年間多くの訪問者がこの地を訪れています。
預言者エリヤとヨハネ
洗礼地はイエスが洗礼を受けた地であるとともに、預言者エリヤが天に昇った地(テル・アル・カッラール)としても知られています。エリヤは旧約聖書に登場するアハブ王の統治時代の預言者です。彼は弟子のエリシャといるときに突然、火の戦車に乗って生きたまま天昇しました。預言者ヨハネは旧約聖書の最後の預言者であり、新約聖書の最初の預言者です。救世主であるキリストの到来にそなえて人々に悔い改めを呼びかけたといわれており、キリストに洗礼を施しました。
アクセス
死海のホテルエリアから車で約20分。アカバから北へ車で約3時間半 。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
アクセス
死海のホテルエリアから車で約20分。アカバから北へ車で約3時間半 。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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