イエス生誕の地:ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路
聖誕教会前の広場に設置される巨大なクリスマスツリー

遺産DATA

地域 : 西・南アジア 保有国 : パレスチナ国 分類 : 文化遺産 登録年 : 2012年 危機遺産 : 2012年~2019年 登録基準 : (iv) (vi) 遺産の面積 : 0.0298㎢ バッファ・ゾーン : 0.2345㎢ 座標 : N31 42 15.67 E35 12 27

about

イエス聖誕の洞窟の上に建てられた最古の教会

エルサレムの南約10kmに位置するベツレヘムはイエス・キリストの生誕地とされています。339年にローマ皇帝コンスタンティヌス1世の時代にイエスが誕生したとされる洞窟を中心に最初の聖誕教会が建てられました。この教会は6世紀に焼失し現在はその一部を地下に残すのみですが、この上に現在の聖誕教会が建てられています。現在の聖誕教会は6世紀半ばに建てられたもので、これは日常的に使用されているキリスト教の教会としては最古のものです。その後十字軍の時代にこの地におけるキリスト教の影響力が強まったことで、聖誕教会の周辺には複数の教会が建造されました。世界遺産としては、聖誕教会に隣接する聖カタリナ教会や、フランシスコ修道会、アルメニア正教会、ギリシャ正教会の各修道院、鐘楼、庭園なども含まれています。また、この地はキリスト教信者にとっての重要な聖地であるだけでなく、イスラム教徒にとっても聖地の一つとされています(ナザレのイエス(イエス・キリスト)はイスラム教において預言者の一人とされています)。

聖カタリナ教会
聖誕教会に隣接する聖カタリナ教会。地下には洞窟がある(©paraphernale/Unsplash)

エルサレムからベツレヘムに至る伝統的な巡礼路

過去1,700年間にわたり、ベツレヘムと聖誕教会は巡礼地として栄え、現在もなおその地位を維持しており、聖母マリアとヨセフがナザレからベツレヘムに向かう際に辿ったとされる道で、エルサレムから聖誕教会に至る道の一部区間も巡礼路として登録されています。この道はベツレヘムの伝統的な入口であるダビデ王の井戸と聖誕教会を結んでおり、ダマスカス門を通ってマンゲル広場へと続いています。毎年クリスマスにはカトリック、アルメニア正教会、ギリシャ正教会の3つの教会の総大司教(正教会では総主教)たちがこの道を辿ることでも知られています。

ベツレヘムとクリスマスツリー

ベツレヘムでは毎年、聖誕教会前の広場に巨大なクリスマスツリーが設置され、イルミネーションの点灯式が催されてきました。そこにはクリスマスを祝い楽しむたくさんの人々の姿がありましたが、2023年10月に起きたガザ地区での紛争により状況は一変。祝賀行事は軒並み中止となり、閑散としたクリスマスが2年続きました。しかし2025年10月の停戦を受けて、同年のクリスマスでは3年ぶりに点灯式が開催されました。

アクセス

エルサレムから車で約20分、バスの場合は乗り継ぎで約50分。

執筆協力者PROFILE

渡邊 圭
渡邊 圭
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター(世界遺産アカデミー賞)

民間企業勤務のサラリーマン。趣味は世界遺産と言語。「リラの僧侶」の名で世界遺産ポッドキャスト「ニュースで読み解く世界遺産」のラジオパーソナリティーを担当。好きな世界遺産はリラの修道院。

遺産DATA

保有国 : パレスチナ国
分類 : 文化遺産
登録年 : 2012年
危機遺産 : 2012年~2019年
登録基準 : (iv) (vi)
遺産の面積 : 0.0298㎢
バッファ・ゾーン : 0.2345㎢
座標 :N31 42 15.67 E35 12 27

アクセス

エルサレムから車で約20分、バスの場合は乗り継ぎで約50分。

執筆協力者PROFILE

渡邊 圭
渡邊 圭
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター(世界遺産アカデミー賞)

民間企業勤務のサラリーマン。趣味は世界遺産と言語。「リラの僧侶」の名で世界遺産ポッドキャスト「ニュースで読み解く世界遺産」のラジオパーソナリティーを担当。好きな世界遺産はリラの修道院。