about
街のアイデンティティとなった「通路」
「ポルティコ」とは建物に付属したアーケード状の建造物で、歩行者を雨や日差しから守る役目をし、ちょうど日本の雪国に見られる「雁木(がんぎ)造」に似たものです。イタリア北部のボローニャでは、中世以降建造されてきたポルティコが、市内中心部だけでも長さ30km以上にわたり残されています。ポルティコは街のシンボルであり、アイデンティティともなっています。世界遺産には、異なるタイプや年代的段階を示す12ヵ所が登録されています。最長の「聖ルカのポルティコ」は長さ4kmで666本の柱があり、昇天祭の際にはここを伝統的な行列が行進します。
増大する住宅需要に対応するためにつくられた
最初にポルティコがつくられたのは11世紀初頭と言われています。この頃ボローニャは、有名なボローニャ大学の学生や地方からの移民により人口が増加し、人々の居住空間を増やす必要に迫られていました。そこで、もともとの住居の上階を拡張増築し、それを支える柱を立てました。初期は木造でしたが、その後石造・レンガ造となります。その階下の空間は当初は私有か公有か明確ではありませんでしたが、市民の避難通路や商業活動の場として利用されていることが評価され、「公共のための私有材」として1288年に市条例で合法化されました。
アクセス
日本からボローニャ空港までは、パリやローマなどヨーロッパの諸都市を経由して18~22時間程度。イタリア各都市からのアクセスは良く、電車の場合ローマから2時間半、ヴェネツィアからは1時間半。
執筆協力者PROFILE
早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。
アクセス
日本からボローニャ空港までは、パリやローマなどヨーロッパの諸都市を経由して18~22時間程度。イタリア各都市からのアクセスは良く、電車の場合ローマから2時間半、ヴェネツィアからは1時間半。
執筆協力者PROFILE
早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。
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