
about
100年以上にわたって調査が続けられてきた古墳群
『ブルー・ナ・ボーニャ:ボイン渓谷の考古遺跡群』は、アイルランドに現存する最大の先史遺跡であり、首都ダブリンの北約40km、ボーニャ川とマトック川に挟まれた尾根に位置しています。現在は主に農地として利用されているこの地域は、100年以上にわたり考古学者や歴史学者によって広範囲に調査され、多くの特徴が発掘調査によって明らかになってきました。遺産は、ニューグレンジ、ノウス、ダウスの3カ所にある大型石室墓と、点在する40以上の古墳で構成されています。これらの古墳群は、古代における重要な儀式の中心地であったと考えられているほか、鉄器時代、初期キリスト教時代、中世といった後の時代にも遺跡が築かれており、極めて重要な歴史的価値を有しています。
古代の精密な天文学の知識がうかがえる古墳
ニューグレンジの大型石室墓は、長い通路の奥に墓室を持つ構造の墳墓であり、紀元前3000年頃に建設されたと考えられています。墳墓の正面入口の上部には、冬至の日に太陽光が墓室内に差し込むよう設計されており、当時の人々が非常に高度な天文学の知識を有していたことがうかがえます。ノウスには、新石器時代にまで遡るとされる30の遺跡および遺跡群が存在します。ダウスには、中世の教会や城といった痕跡も残されています。ブルー・ナ・ボーニャは、アイルランドに現存する最大の先史遺跡であると同時に、中世に至るまでの長い歴史的連続性を確認できる貴重な場所であり、ヨーロッパで最も重要な考古学遺跡のひとつとされています。
アクセス
ダブリンから車で約1時間。遺跡の見学には、近くのドノレ村にあるビジターセンターから出発するツアーに参加する必要がある。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
アクセス
ダブリンから車で約1時間。遺跡の見学には、近くのドノレ村にあるビジターセンターから出発するツアーに参加する必要がある。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
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