about
ドイツにおける初期のロココ様式建築
ドイツ西部、牧歌的な庭園風景の中に建つブリュールのアウグストゥスブルク城は、建築家ヨハン・コンラート・シュラウンによって着工され、フランソワ・ド・キュヴィイエによって完成されました。ケルン大司教兼選帝侯の豪奢な居城であるこの城と、田園に建つ小さな狩猟館ファルケンルストは、18世紀ロココ建築のドイツにおける最初期かつ最良の例であり、当時のヨーロッパにおける比類ない豊かな建築・芸術文化と直接結びついています。1725年、バイエルン出身のケルン選帝侯クレメンス・アウグスト(1700–1761)は、中世城館の基礎の上にこの壮大な居城をブリュールに建設しました。建物は粗い塗装を施したレンガ造りの三翼構造で、南側には礼拝室を含むオランジュリー、北側には付属施設を収めたオランジュリーが接続しています。
家主の権力と富を象徴しているアウグストゥスブルク城
アウグストゥスブルク城は、シュラウンによる地味な建物を大胆に刷新したものであり、創造的天才と称されるバルタザール・ノイマンの階段室が特に有名で、大理石とスタッコの躍動感、碧玉の柱やカリアティードが調和し、カルロ・カルローネによる驚異的な天井フレスコ画へと至ります。中央棟、儀礼用の翼、私的居室は、卓越した構想による明確な序列で構成されています。一方、低地地方のファイアンス装飾を用いた新しい夏の大居室は、公式の装飾計画とは対照的な親しみやすい雰囲気を持っています。アウグストゥスブルクでは、ル・ノートルの弟子であるドミニク・ジラール(1680頃–1738)が景観装飾に優れた感性を発揮し、ニンフェンブルク、シュライスハイム、ウィーンのベルヴェデーレを思わせるモニュメンタルな斜路や左右対称の花壇を配置しました。城の南側にある庭園の中心は、四つの噴水と鏡の池を備えた刺繍のような二分割のパルテールで、小さな滝が円形の大噴水から流れ込んでいます。菩提樹並木の小径がパルテールを囲み、三角形の植栽地へと続きます。隣接する半円形の公園は堀と壁で囲まれています。主軸の並木道は斜めに交差する第二の並木道とつながり、南東へと進んでファルケンルスト城へ至ります。
狩猟用の別宅ファルケンルスト
ファルケンルストは、アウグストゥスブルク城から2kmほど離れた森の中に建ち、1729年から1737年にかけてキュヴィイエによって建設されました。これはクレメンス・アウグストが好んだ鷹狩りのための館で、粗い塗装を施したレンガ造りの二階建ての田舎風邸宅です。両側には長方形の平屋建物があり、当初は鷹を収容するための施設でしたが、現在は主に展示に利用されています。ファルケンルストは左右対称のアヴァンコルを持つ田園邸宅で、1階の楕円形サロンは、キュヴィイエが得意とした即興性・魅力・自由さを体現しています。礼拝堂には、ボルドー出身のラポルトリーによる驚くべき海の洞窟風装飾が施され、壁面は貝殻や石灰質の堆積物で覆われています。ファルケンルストでは、庭園は規模こそ小さいものの、自然の風景の偶然性を再現しようと工夫されています。
アクセス
日本からフランクフルト空港まで直行便で約12時間。フランクフルト空港からドイツ鉄道(DB)でケルン中央駅まで約1時間。ケルン中央駅からブリュール駅までローカル線で約15分、ブリュール駅からアウグストゥスブルク城までは徒歩5分 ファルケンルストまでは徒歩で20~25ほど。
執筆協力者PROFILE
民間企業勤務のサラリーマン。趣味は世界遺産と言語。「リラの僧侶」の名で世界遺産ポッドキャスト「ニュースで読み解く世界遺産」のラジオパーソナリティーを担当。好きな世界遺産はリラの修道院。
アクセス
日本からフランクフルト空港まで直行便で約12時間。フランクフルト空港からドイツ鉄道(DB)でケルン中央駅まで約1時間。ケルン中央駅からブリュール駅までローカル線で約15分、ブリュール駅からアウグストゥスブルク城までは徒歩5分 ファルケンルストまでは徒歩で20~25ほど。
執筆協力者PROFILE
民間企業勤務のサラリーマン。趣味は世界遺産と言語。「リラの僧侶」の名で世界遺産ポッドキャスト「ニュースで読み解く世界遺産」のラジオパーソナリティーを担当。好きな世界遺産はリラの修道院。
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