ブハラの歴史地区
ブハラを象徴するカラーン・モスクとミナレット。ミナレットには、チンギス・ハンがその美しさのあまり破壊を思いとどまったという逸話がある

遺産DATA

地域 : 西・南アジア 保有国 : ウズベキスタン共和国 所在地 : Bukhara region 分類 : 文化遺産 登録年 : 1993年 範囲変更年 : 2016年 登録基準 : (ii) (iv) (vi) 遺産の面積 : 2.16㎢ バッファ・ゾーン : 3.39㎢ 座標 : N39 46 28.992 E64 25 43

about

シルク・ロードの交易都市で歴代イスラム王朝の首都として発展

ウズベキスタン南部、サマルカンドの西200km、ザラフシャン川下流域にある歴史あるシルク・ロードのオアシス都市です。ブハラという名はサンスクリット語の「僧院(ビハーラ)」が由来といわれています。紀元前5世紀にはすでにシルク・ロードの要塞都市となり、交易の民ソグド人の都市国家がありました。その後8世紀にイスラム勢力がここを支配し、サーマーン朝やカラハン朝、ホラズム・シャー朝といったイスラム王朝の首都として繁栄しました。今も残るイスマーイール廟はこの時期の建物で中央アジアに現存する最古のイスラム建築です。

モンゴルによる破壊とその後の再生再建、そして中央アジアの中心地へ

ブハラは13世紀にチンギス・ハーンに率いられたモンゴル軍の攻撃を受けます。そして都市は徹底的に破壊されました。しかしそこから少しずつ再建され、16世紀以降イスラム系王朝が続き「ブハラ・ハン国」と呼ばれました。この時代、ここブハラは中央アジアにおける政治・文化の中心地となり、イスラム教学の中心地として各地から多くの巡礼も訪れるようになりました。また近世のペルシア語文学の発信地としても知られています。

どこからでも見えるミナレットと現在も残るイスラム建築

高さ46.5mのカラーン・ミナレットは12世紀に建てられたものです。カラーンとは「大きい」という意味で、建設当時は世界一高いミナレットだったそうです。現在の姿は16世紀に再建された当時のものです。ミナレットに続くモスクは16世紀建造で、中央アジア最大級のものです。ウルグベク・マドラサはティムールの孫ウルグ・ベクによって建てられた中央アジア最古の神学校です。さらに特徴のある建物がチャル・ミナル(チャハル・ミナレット)で、それぞれターコイズブルーのドームを冠した装飾豊かな4本のミナレットです。ひっくり返した椅子に例えられています。

アクセス

首都タシケントから飛行機でブハラ空港まで約1時間30分。 空港からはブハラ歴史地区まで車で約10分。またはタシケントからブハラ駅まで夜行列車で約10時間、高速列車で約3時間半。

執筆協力者PROFILE

細谷 正文
細谷 正文
大東文化大学・フェリス女学院大学講師/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。

遺産DATA

所在地 : Bukhara region
分類 : 文化遺産
登録年 : 1993年
範囲変更年 : 2016年
登録基準 : (ii) (iv) (vi)
遺産の面積 : 2.16㎢
バッファ・ゾーン : 3.39㎢
座標 :N39 46 28.992 E64 25 43

アクセス

首都タシケントから飛行機でブハラ空港まで約1時間30分。 空港からはブハラ歴史地区まで車で約10分。またはタシケントからブハラ駅まで夜行列車で約10時間、高速列車で約3時間半。

執筆協力者PROFILE

細谷 正文
細谷 正文
大東文化大学・フェリス女学院大学講師/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。