カホキア・マウンド州立史跡
農業を基盤とした、ミシシッピ文化の大都市が存在していたことを証明する遺跡

遺産DATA

地域 : 北米 保有国 : アメリカ合衆国 所在地 : Collinsville, State of Illinois 分類 : 文化遺産 登録年 : 1982年 範囲変更年 : 2016年 登録基準 : (iii) (iv) 遺産の面積 : 5.41㎢ 座標 : N38 39 31 W90 3 41

about

メキシコ以北で最大の古代先住民集落遺跡

イリノイ州南西部、ミシシッピ川左岸に位置するカホキア・マウンド州立史跡は、メキシコ以北において最大の古代先住民集落の遺跡です。本遺跡は、ミシシッピ文化(800〜1350年)の文化、宗教、経済の中心地として栄え、ミシシッピ渓谷およびアメリカ合衆国南東部にまで広がったミシシッピ文化を代表するものです。この農耕社会は、最盛期である1050年から1150年の間において1万人から2万人の人口を有していたと推定されており、これは当時のヨーロッパの多くの都市の人口に匹敵する規模でした。「太陽の都市」とも呼ばれたカホキアは、かつては16㎢以上の広さを誇り、およそ120基の土塁(マウンド)が残されています。

カホキアを象徴するモンクス・マウンド

カホキア・マウンド州立史跡において最大のマウンドは、モンクス・マウンドです。その底面は長さ約304m、幅約213mの長方形で、高さ約30mの二段階段状の台形を呈しています。この土台部分の規模は、エジプトのピラミッドやメキシコのテオティワカンにある太陽のピラミッドよりも大きいとされています。これらのマウンドは、公共建造物や墓など、多様な目的で使用されていたと考えられています。マウンド以外にも、木製の柱を円形に配置した天文台「ウッドヘンジ」が確認されています。専門家による大規模な発掘調査により、これらの建造物に関する建築技術や社会活動の証拠が明らかとなってきており、さらなる解明が進められています。

アクセス

アメリカ合衆国ミズーリ州セントルイスにあるセントルイス・ランバート国際空港から車で約30分。

執筆協力者PROFILE

市川 賢司
市川 賢司
アレセイア湘南高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。

遺産DATA

地域 : 北米
所在地 : Collinsville, State of Illinois
分類 : 文化遺産
登録年 : 1982年
範囲変更年 : 2016年
登録基準 : (iii) (iv)
遺産の面積 : 5.41㎢
座標 :N38 39 31 W90 3 41

アクセス

アメリカ合衆国ミズーリ州セントルイスにあるセントルイス・ランバート国際空港から車で約30分。

執筆協力者PROFILE

市川 賢司
市川 賢司
アレセイア湘南高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。