
about
古代マヤ文明の中心地
ユカタン半島のカンペチェ州内陸にあるカラクムルは紀元前1000年頃から紀元後1000年頃までマヤ文明のカーン王朝の本拠地として発展した古代都市です。文明崩壊後、都市は完全に放棄され、無人状態が続きました。そのため都市は全体として非常に良い状態で保たれ、当時の都市の様子や生活、文化を鮮明に知ることができます。また象形文字の碑文やレリーフ彫刻も当時の様子を記録しています。しかし9~10世紀頃に古典マヤ文明が崩壊した理由は判明しておらず、謎ものこる古代都市です。
固有種も多く生息する豊かな熱帯雨林
カラクムルの熱帯雨林は、南米アマゾンのジャングルに次いでアメリカ大陸で2番目に大きな熱帯雨林であるため、多様な動植物が生息しています。そのため自然的価値も評価され、カラクムルは複合遺産として2014年に拡大登録されました。カラクムルにはメキシコに生息する3種の霊長類のうち2種類、6種類のネコ科哺乳類のうち5種類、4種類の無菌類のうち2種類が生息しています。また重要な集水域でもあるカラクムルは、多くの固有種や絶滅危惧種にとって重要な生息地となっています。
古代の人間と自然の関わりがわかる遺産
文化遺産そして自然遺産の価値をもつ複合遺産であるカラクムルは、古代マヤ文明期にも人間と自然との関わりの分かる遺跡や遺構も数多く残っています。熱帯林に生息する野生動物は、絵画や陶器、彫刻にモチーフとして用いられ、マヤ文明のなかでも野生動物が重要視されてきたことがわかります。熱帯林という過酷な環境への人間の適応とそこでの技術の発展、社会的進化の様子がよくわかる状態で残っており、人間と自然の関わりを今に伝えています。
アクセス
カンペチェの中心地からカラクムルまでバスで約5時間。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
アクセス
カンペチェの中心地からカラクムルまでバスで約5時間。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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