ミディ運河
大西洋へそそぐガロンヌ川と地中海を結ぶために築かれた大規模な運河。クルーズは観光の定番

遺産DATA

地域 : ヨーロッパ 保有国 : フランス共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 1996年 登録基準 : (i) (ii) (iv) (vi) 遺産の面積 : 20.07㎢ バッファ・ゾーン : 1,958.36㎢ 座標 : N43 36 41 E1 24 59

about

太陽王の栄光を示す遺産

フランス南部のトゥールーズから地中海に隣接したトー湖までを結ぶミディ運河は、ブルボン朝絶頂期の太陽王、ルイ14世の治世時である1694年に完成した、世界最古級の運河です。総延長は360kmで、東京から三重あたりまでの距離に相当します。当時フランスはスペインに対抗するために、地中海と大西洋を結ぶ国際通路を必要としていました。実はローマ帝国の時代から、地中海と大西洋を結ぶ運河の建設計画があったのですが、技術的にも予算的にも非常に困難なものでした。そこで立ち上がったのが当時、塩税徴収人として財をなしたピエール・ポール・リケでした。彼は1667年に運河の着工をし、約30年かけて完成させました。運河はトゥールーズで大西洋に注ぐカロンヌ川と繋がり、この事業は新しい時代を象徴するものとなりました。

運河に人生を捧げた男

運河の建設は国家事業でしたが、あまりにも莫大な費用がかかったため、なんとリケは私財を投げうってまで建設に人生を捧げました。また、景観に関しても意識し、例えば運河の両岸に約4万5,000本もの木を植えて、自然豊かな運河を目指しました。建設地には全体で190mに及ぶ高低差がありましたが、これらの問題を、103カ所に閘門(水位の異なる川や水路の間で船を上下させるための施設)を設置することで乗り越えました。と、口で言うのは簡単ですが、実際かなりの困難を伴ったようです。残念ながらリケは1681年に亡くなってしまったため、その完成を見ることが出来ませんでした。しかし、彼の人生をかけた運河は現在も観光地として有名で、クルーズにも使用されています。それぞれの閘門も見どころですが、全長165mの世界初の運河用トンネルであるマルパ・トンネルはやはり必見でしょう。ミディ運河は、19世紀に鉄道が登場したことによりその大きな役目を終えましたが、フランス絶頂期の運河として今でも多くの人に愛されています。

アクセス

比較的行きやすいトゥールーズには、パリのモンパルナス駅からTGVで約5時間半。

執筆協力者PROFILE

京都橘大学・大阪成蹊大学講師/NPO世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。

遺産DATA

分類 : 文化遺産
登録年 : 1996年
登録基準 : (i) (ii) (iv) (vi)
遺産の面積 : 20.07㎢
バッファ・ゾーン : 1,958.36㎢
座標 :N43 36 41 E1 24 59

アクセス

比較的行きやすいトゥールーズには、パリのモンパルナス駅からTGVで約5時間半。

執筆協力者PROFILE

京都橘大学・大阪成蹊大学講師/NPO世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。