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約9,000種の植物が広がるホットスポット
世界的にもまれな植物地域として認識される「ケープ植物区保護地域群」は、南アフリカの南端に広がる自然遺産です。地球上の植物相の特徴から6つの区域に分けたものを「植物区」と言います。その植物区のなかで最も小さいケープ植物区はアフリカ大陸の0.5%にも満たない面積ですが、圧倒的な生物多様性を誇ります。実にアフリカ大陸全体の約2割に及ぶ約9,000種が集中し、そのうちの69%が固有種という植物のホットスポットです。
山火事にも適応する珍しい植物も
テーブルマウンテン国立公園やセダーバーグ野生保護区などケープ地方にある13の保護区群で構成されるこの地域には、フィンボスという灌木地帯が見られます。この一帯は地中海性気候で、夏場は空気が乾燥し、山火事が発生しやすいのですが、フィンボスのなかの「プロテア」という植物は、火事の熱で発芽し、種子がばらまかれて増えていくという非常に珍しい特性をもっています。プロテアの代表品種とされるキングプロテアは南アフリカの国花で、直径が20~30㎝にもなります。
「喜望峰」―その名前の由来はインド航路の開拓に
1497年にヴァスコ・ダ・ガマが喜望峰を経由してインド航路を開いたことでも知られるケープ半島ですが、実は彼よりも先にここに到達したヨーロッパ人は、バルトロメウ・ディアスでした。強風が吹き荒れることから、「嵐の岬」と呼ばれていました。後に、ポルトガル王が「喜望峰」と改名しますが、その名前には、ヨーロッパの念願であったインド航路が開かれたことへの喜びがこめられています。今、この一帯は毎年何百万人もの人が訪れる観光地になりましたが、ゴツゴツした岩肌に大西洋とインド洋の2つの大きな海流が出合うその景色は、かつて、ダ・ガマやディアスが見つめていたときのままです。
アクセス
ケープタウン国際空港から街の中心地まではバスかレンタカーが基本。テーブルマウンテンや喜望峰へは、タクシーやバスなどのほか、ケープ半島をまわるツアーもある。
執筆協力者PROFILE
北海道出身。高校時代にAFSでタイ王国へ交換留学。その後、同志社大学へ進学し、卒業後は専門紙記者として10年働いたのち、一般メディアで編集および取材活動に従事。世界遺産検定マイスター。特に好きな分野は、一神教などの宗教・信仰関連遺産。趣味は華道。
アクセス
ケープタウン国際空港から街の中心地まではバスかレンタカーが基本。テーブルマウンテンや喜望峰へは、タクシーやバスなどのほか、ケープ半島をまわるツアーもある。
執筆協力者PROFILE
北海道出身。高校時代にAFSでタイ王国へ交換留学。その後、同志社大学へ進学し、卒業後は専門紙記者として10年働いたのち、一般メディアで編集および取材活動に従事。世界遺産検定マイスター。特に好きな分野は、一神教などの宗教・信仰関連遺産。趣味は華道。
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