about
雨風の浸食によって形成された奇岩の群れ
トルコの首都アンカラの南東にあるカッパドキアはアナトリア高原に位置し、キノコの形や尖塔形をした奇岩が立ち並び、トルコを代表する観光地の一つです。南と東にあるエルジェス山とハッサン山という3,000m級の山が約300万年前に起こした大噴火で、一帯が火山灰や溶岩に覆われました。それが長い年月を経て積み重ねられ、火山灰の層は凝灰岩に、溶岩は玄武岩となりました。もろさのある凝灰岩の層は雨風の浸食を受けて奇岩となり、削りやすさを生かし、住居や聖堂、修道院などがつくられました。
宗教弾圧や偶像崇拝否定の運動により生まれた洞窟施設
ローマによるキリスト教弾圧が始まった3世紀半ば以降、キリスト教徒が移り住みました。修道院での活動の痕跡は4世紀頃にさかのぼってみられ、後にはカイマクルやデリンクユの地下都市が形成されました。現地には36の地下都市が残っていますが、築かれた理由などはわかっていません。当地を支配していたビザンツ帝国による偶像崇拝を否定する運動「イコン破壊活動」(イコノクラスム)やトルコのイスラム教化のあおりを受け移り住んだキリスト教徒が増加するのに伴い、洞窟に聖堂や修道院がつくられていき、その数は10世紀には360にも及びました。

ビザンチン美術の高い芸術性を伝えるフレスコ画
ギョレメ渓谷では多くのキリスト教徒が隠密生活を過ごし、約30の洞窟聖堂が現存しています。もろい地質を生かしてさまざまなフレスコ画が描かれており、カッパドキア最大規模とされる「バックルの聖堂」(トカル・キリセ)は、イエスによる奇跡やその生涯などが描かれており、貴重な青の顔料を用いた描写が随所にみられます。入口にリンゴの木があったことからそのように呼ばれ、聖堂内壁に「最後の晩餐」が描かれている「リンゴの聖堂」(エルマル・キリセ)のほか、外光が届かず光による内部の劣化がみられない「暗闇の聖堂」(カランルク・キリセ)などが保存状態よく残されています。これらは、偶像破壊がなされた後のビザンチン美術の素晴らしさを伝えています。
アクセス
羽田などからトルコのイスタンブールを経由し、ネヴシェヒル・カッパドキア空港へ。空港からはカッパドキア中心地へは車で約40分。シャトルバスやタクシーを利用する。
執筆協力者PROFILE
民間企業勤務のサラリーマンで、知識量よりも考え方の多様性を充実させることに重きを置く。暫定リスト入りを目指している「四国八十八箇所霊場と遍路道」で、お接待などで外国人やお遍路さんに遍路文化や世界遺産の魅力を伝える活動をライフワークにしている。趣味は辺境地の世界遺産巡り、世界遺産関連の書籍や手ぬぐいの収集、発酵食品作りなど。
アクセス
羽田などからトルコのイスタンブールを経由し、ネヴシェヒル・カッパドキア空港へ。空港からはカッパドキア中心地へは車で約40分。シャトルバスやタクシーを利用する。
執筆協力者PROFILE
民間企業勤務のサラリーマンで、知識量よりも考え方の多様性を充実させることに重きを置く。暫定リスト入りを目指している「四国八十八箇所霊場と遍路道」で、お接待などで外国人やお遍路さんに遍路文化や世界遺産の魅力を伝える活動をライフワークにしている。趣味は辺境地の世界遺産巡り、世界遺産関連の書籍や手ぬぐいの収集、発酵食品作りなど。
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