
about
八角形で統一された城塞
カステル・デル・モンテは、イタリア南部のプーリア州にある城塞で、1240年に神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒ2 世によって築かれました。その設計は「8」に拘っています。この城の外観を上空から見ると、八角形の中庭を、城の本体となる八角形の壁が取り囲んでいて、さらに周壁の角には八角形の小塔が8つ配置されています。また、屋根の貯水槽にたまった雨水が各部屋に供給されるといった工夫がなされています。その一方で、この時代の城郭によく見られる堀や馬小屋などはなく、軍事的な要塞としての機能が見られません。また、出入り口となる扉付近はローマ古典様式、壁の窓はゴシック様式、そして浴槽の設備などにはイスラム文化の影響も伺えて、さまざまな建築様式が美しく融合した城となっています。
「王座上最初の近代人」と称されたフリードリヒ2世
フリードリヒ2世は3歳でシチリア王位を継ぎ、1220 年に神聖ローマ帝国の皇帝に即位しました。アラビア語を含む多数の言語を操り、イスラム世界に対しても深い理解を示し国際感覚に優れていたことから、後世の歴史家は彼を「王座上最初の近代人」と評しました。また、数学や天文学、自然科学などにも通じた教養人で、城の設計にも加わり建築様式に影響を与えました。カステル・デル・モンテは、フリードリヒ2世の狩猟時の住居としてつくられたといわれています。
アクセス
バーリ中央駅から私鉄ノルド線でアンドリア駅まで約1時間。そこから路線バス乗り換えでカステル・デル・モンテに向かう。
執筆協力者PROFILE
米国総合化学会社の日本法人にて海外人事部門などで40年間勤務した後、筑波大学大学院人間総合科学研究科世界文化遺産学専攻の博士課程を修了。博士(世界遺産学)。日本造園学会会員。日本シルク学会会員。元大東文化大学国際関係学部非常勤講師。
アクセス
バーリ中央駅から私鉄ノルド線でアンドリア駅まで約1時間。そこから路線バス乗り換えでカステル・デル・モンテに向かう。
執筆協力者PROFILE
米国総合化学会社の日本法人にて海外人事部門などで40年間勤務した後、筑波大学大学院人間総合科学研究科世界文化遺産学専攻の博士課程を修了。博士(世界遺産学)。日本造園学会会員。日本シルク学会会員。元大東文化大学国際関係学部非常勤講師。
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