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チャコ・キャニオンで発見された集落
ニューメキシコ州北西部に位置するチャコ・キャニオンで発見された集落は、10〜12世紀にかけて先住民アナサジ族によって築かれた集落群です。大規模な集落は12、小規模なものは400以上に及びます。アナサジ族は当時、独自の石工技術を用いて、数百の部屋を備えた多層構造の「グレートハウス」と呼ばれる巨大な石造建造物を建設しました。これらの建物は計画的に設計・建設されており、2〜5階建ての集合住宅となっています。壁は砂岩と泥モルタルで構築され、屋根梁には松材が使用されています。これらはチャコ文化の全体像を示す、良好な保存状態の考古学的遺跡です。多層構造と洗練された石積みを特徴とする高度に組織化された大規模建造物は、当時の社会構造の複雑化を物語っています。
最大の集合住宅であるプエブロ・ボニート
プエブロ・ボニートは、上空から見ると半円形に建設されており、一部は4階建ての建築物で構成されています。800以上の部屋や30を超える「キヴァ」と呼ばれる地下礼拝所を擁する、最大の集合住宅です。建物は厚さ1mにも及ぶ分厚い石積みの壁によって仕切られ、内外ともに美しく仕上げられています。また、多くの貯蔵庫が存在することから、この場所が経済的に中心的な役割を果たしていた可能性があります。規模の大きな儀式用のキヴァは、複雑な宗教儀式が彼らの生活において重要な意味を持っていたことを示唆しています。これらの集落は主に宗教儀礼に用いられたと考えられていますが、13世紀には消滅しました。世界遺産には、チャコ文化国立歴史公園に加え、アステカ遺跡国定公園、および土地管理局が管理するいくつかの小規模なチャコ遺跡が含まれています。
アクセス
ニューメキシコ州最大の商工業都市であるアルバカーキから北西へ車でおよそ3時間。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
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ニューメキシコ州最大の商工業都市であるアルバカーキから北西へ車でおよそ3時間。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
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