about
ヴィクトリア朝時代に完成した、港湾都市ムンバイのシンボル
チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅は、インドのムンバイにある鉄道の駅です。1661年に英国の支配下に置かれたムンバイ(当時はボンベイ)は、造船業と綿花貿易の拠点として発展し、駅舎の建設が計画されました。英国の建築家フレデリック・ウィリアム・スティーブンスによって設計され、1878年に工事が始まりました。英国のヴィクトリア女王の即位50周年にあたる1887年に完成し、当初は「ヴィクトリア・ターミナス駅」と命名されました。
インドと英国の建築様式が融合した壮麗な駅舎
駅舎全体は中世のゴシック建築を思わせる壮麗な外観です。これは当時英国で多く採用されていた「ゴシック・リバイバル」と呼ばれる様式です(「ヴィクトリア・ゴシック様式」とも呼ばれます)。しかし、平面プランやドーム、チャトリ(小塔)などいたるところにインドの宮廷建築を思わせる様式も見られ、インドと英国の建築様式が融合した駅舎となっています。中央のドームは八角形のリブ構造で、頂上には右手に松明、左手に車輪を持った「進歩」を象徴する女性の像が置かれています。
ゴシックの街ムンバイの中心で近距離・遠距離鉄道のターミナル駅
インド発のターミナル駅として建設されたこの駅は、現在も20本近くのプラットホームを有し、近距離・遠距離の路線のターミナル駅であり続けています。1日の利用者はおよそ300万人で、インド西部の鉄道の起点です。ムンバイにはこれ以外にも19世紀後半の英国統治時代に建てられたゴシック様式の建築物が多くあります。チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅とは別に、それらの建物は「ムンバイにあるヴィクトリア朝ゴシックとアールデコの建造物群」として別の世界遺産に登録されています。
アクセス
ムンバイ国際空港からムンバイ市内まで、電車かタクシーで約1時間。
執筆協力者PROFILE
早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。
アクセス
ムンバイ国際空港からムンバイ市内まで、電車かタクシーで約1時間。
執筆協力者PROFILE
早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。
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