about
布教活動のために建てられた教会堂
チリ南部にあるチロエ諸島には、1567年からのスペイン統治下で建てられた木材教会堂が残されています。17世紀のイエズス会は、年に一度各地のミッションを巡回・滞在する「巡回宣教」を行っており、その活動のため教会堂が建設されるようになりました。19世紀末までに100棟以上が建てられ、50棟あまりが現存しています。1767年にイエズス会がスペインの海外領土から追放された後は、フランシスコ会がチロエでの活動を継承しました。教会群は現在も信仰の場であり、地元コミュニティによる宗教行事が定期的に行われています。
ヨーロッパと先住民族との文化的融合
この地では入植したスペイン人が先住民と結婚することが多く、文化的融合が深まったこともあり、カストロ教会堂をはじめとする16の教会堂は、ヨーロッパと地元チロエの建築様式が調和した「チロエ様式」と呼ばれる独特なものとなっています。教会堂は主にチロエ原産の木材でつくられており、三廊式のバシリカ型の平面構造をもっています。塔を備えたファサードやヴォールト天井、散策路に面している点が典型的な特徴です。多くの教会で身廊と側廊は木柱で空間が区切られており、身廊はヴォールト天井、側廊は平天井となっています。建設に際しては地元の船乗りの技術が活用され、塔や屋根には船の建造技術を応用した構造が見られます。教会の立地も意図的に選ばれており、洪水を避けるために高台に建てられたほか、航海者の目印となるように教会堂が海から見える位置に配置されています。
アクセス
首都サンティアゴからカストロ空港(チロエ島)まで国内線で約1時間45分。そこからフェリーで約30分。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
アクセス
首都サンティアゴからカストロ空港(チロエ島)まで国内線で約1時間45分。そこからフェリーで約30分。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
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