ヒロキティアの考古遺跡
日干しレンガと石造りの平屋根で作られた円形家屋が特徴的

遺産DATA

地域 : ヨーロッパ 保有国 : キプロス共和国 所在地 : District of Larnaca 分類 : 文化遺産 登録年 : 1998年 範囲変更年 : 2012年 登録基準 : (ii) (iii) (iv) 遺産の面積 : 0.062㎢ バッファ・ゾーン : 0.675㎢ 座標 : N34 47 48.266 E33 20 38.2

about

新石器文化の地中海世界への通過地点

「ヒロキティアの考古遺跡」はキプロス島南岸から約6㎞、マロニ川の湾曲部分に囲まれた丘陵の斜面に位置し、紀元前7,000年から前4,000年頃に造られた地中海最古級の集落遺跡と考えられています。紀元前1万年頃にアジアで興った新石器文化は,紀元前8,000年から前7,000年頃にキプロス島へ伝わり、その後地中海全域へ広がりました。ヒロキティアの考古遺跡には、この伝播の過程を見ることができる点が貴重とされています。遺跡は1934年に発見され、1936年から1946年にかけて発掘調査が行われました。1977年以来、アラン・ル・ブラン(パリ国立科学研究センター)の指揮の下で発掘調査が進められています。

円筒形の住居が建ち並んでいた集落

これまでに約20の円筒形の家屋が発掘されています。それらの外径は2.3mから9.2mまでさまざまで、壁の厚さも異なっています。家屋は基礎を持たず、地面に直接建てられており、未加工の石灰岩ブロック、日干しレンガ、版築粘土で造られていました。残骸に残った跡から、屋根は平らで枝や葦で作られ、その上に粘土が葺かれていたと推測されています。多くの家屋では、版築床の下に人骨が埋葬されており、土葬の儀式が行われていた証拠とされています。また、集落からは石や骨の道具、さらに後の時代には陶器などの遺物が発見されているほか、焼かれた穀物(初期の小麦や大麦、レンズ豆など)も出土しています。動物の骨にはヒツジ,ヤギ,ブタといった家畜のほか、狩猟されていたダマジカの骨も含まれています。道具は骨針から鎌に至るまで多様であり、最も注目される発見は石造りの人型像です。これはこの初期の時代に精巧な霊的信仰が存在していたことを示しています。

アクセス

「ヒロキティアの考古遺跡」の最寄りの空港はラルナカ空港。日本からの直行便はなく、カタールの首都ドーハやアラブ首長国連邦のドバイを経由する必要がある。空港からラルナカ市内まではバスで約10分、市内からヒロキティアまではバスを乗り換えて約40分かかる。バスは必ずしも時間通りに運行されるとは限らないため、時間に余裕を持った計画を立てるのがおすすめ。ほかの移動手段としては、ラルナカ市内からタクシーで約30分。乗合タクシーも利用できるが、到着時間が読みにくい。

執筆協力者PROFILE

アレセイア湘南高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。

遺産DATA

所在地 : District of Larnaca
分類 : 文化遺産
登録年 : 1998年
範囲変更年 : 2012年
登録基準 : (ii) (iii) (iv)
遺産の面積 : 0.062㎢
バッファ・ゾーン : 0.675㎢
座標 :N34 47 48.266 E33 20 38.2

アクセス

「ヒロキティアの考古遺跡」の最寄りの空港はラルナカ空港。日本からの直行便はなく、カタールの首都ドーハやアラブ首長国連邦のドバイを経由する必要がある。空港からラルナカ市内まではバスで約10分、市内からヒロキティアまではバスを乗り換えて約40分かかる。バスは必ずしも時間通りに運行されるとは限らないため、時間に余裕を持った計画を立てるのがおすすめ。ほかの移動手段としては、ラルナカ市内からタクシーで約30分。乗合タクシーも利用できるが、到着時間が読みにくい。

執筆協力者PROFILE

アレセイア湘南高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。