
about
熱帯雨林が茂る海洋島
ココス島は、コスタリカ本土から南西約550㎞の太平洋上に位置する絶海の孤島で、かつては無人島でした。ココス島は東部熱帯太平洋の海洋で唯一熱帯雨林帯に属しており、年間降水量は約7,000mmに達します。これは東京都の年間降水量の約4倍に相当し、世界でも有数の多雨地域です。このような気候と地理的隔離により、ココス島は多様な動植物が独自の進化を遂げながら生息しています。熱帯雨林が茂る島内では、235種の植物、85種の鳥類、362種の昆虫が確認されています。
海流が育む豊かな海洋生態系
ココス島の最大の自然的価値は、海洋生物相にあります。島は赤道反流と他の海流の合流点に位置し、海洋生物が集まる場所となっています。周辺海域に生息する魚類は300種が記録されており、サメやエイ、イルカなどの大型魚類も多数確認されています。特に、絶滅危惧種の中でも極めて絶滅の危険性が高いアカシュモクザメをはじめ、ガラパゴスザメやジンベエザメなどさまざまなサメ類が生息しています。また、ココス島周辺の小島や岩礁は、他の魚の体についた寄生虫やゴミを食べるクリーンフィッシュが生息しており、体を掃除してもらいたい魚が集まるクリーニング・ステーションとしても機能しています。
人間活動の影響
17~18世紀に海賊たちが水とココナッツを求めてココス島に上陸し、莫大な財宝をどこかに隠したという伝説が残されています。過去には島への入植が企図され、刑務所が置かれたこともありましたが、すべて失敗に終わりました。一方、人間によって持ち込まれたブタやネコ、ネズミ、コーヒーノキなどの侵略的外来種は生態系に大きな影響を与えています。また、海域での密漁や観光による弊害も問題となっています。現在は自然環境保護のため、人間の立ち入りは厳しく制限されています。公園の管理者のみが常駐し、観光客や研究者は交代制での訪問が認められています。
アクセス
首都サン・ホセからプンタレナスまでバスで2時間。プンタレナスからクルーズツアーで36時間。
執筆協力者PROFILE
世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。
アクセス
首都サン・ホセからプンタレナスまでバスで2時間。プンタレナスからクルーズツアーで36時間。
執筆協力者PROFILE
世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。
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