about
伝統を受け継いで今も作られているコーヒー豆
多くの方に嗜好品として愛されるコーヒーですが、その農園が世界遺産になるケースもあります。コロンビアのコーヒー農園はその代表例のひとつです。コロンビア西部、18の都市と6ヵ所の農業地帯からなる一帯は「エヘ・カフェテロ」(コーヒーの栽培の軸)と呼ばれて、19世紀からコロンビア北西部のアンティオキアからやってきた人々により農地が拓かれました。55度以上の傾斜をもつ急峻な山脈で、伝統的なコーヒー豆の生産が行われ、数世代にわたって今でもコーヒー豆が生産されているのが、非常に価値のあるものとみなされています。現在、コロンビアのコーヒー豆の生産量は世界3位(ブラジル、ベトナムに次ぐ)であり、この地域のコーヒー生産が少なくともそれに貢献していることは間違いありません。
植民地文化と農業文化が融合した地
このようにコーヒー農園が世界遺産として評価されていますが、市街地にも注目です。市街地にはスペインの植民地時代につくられたコロニアル様式の建築物が残る一方、コーヒー栽培のプロセスにも適応した伝統的な建築物も見られます。トウモロコシの穂軸やサトウキビの茎を粘土とともに用いた、柔軟かつダイナミックな壁(これをバハレケ建築という)や、粘土タイルの屋根が特徴的です。現在でも壁の半分近くがこの伝統的な工法で造られています。このように極めて困難な地理的条件において、人々が試行錯誤し、伝統的なコーヒー農園を営んできたことは、土地利用に顕著な価値があるとみなされており、その観点からも世界遺産として認められています。挽きたてのコーヒーを飲むことが出来るので、コーヒーが好きな方は、是非一度訪れたいところですね。
アクセス
首都ボゴタから飛行機でキンディオ州のアルメニアまで1時間。
執筆協力者PROFILE
世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。
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首都ボゴタから飛行機でキンディオ州のアルメニアまで1時間。
執筆協力者PROFILE
世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。
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