about
16世紀から現在まで使用されている現役の灯台
コルドゥアン灯台は、大西洋のジロンド河口にある浅い岩礁の上に立ち、非常に過酷で外洋にさらされた環境に立っています。16世紀末から17世紀初頭にかけて、技師ルイ・ドゥ・フォワによって設計され、18世紀後半にはジョゼフ・トゥレールによって改修されました。石灰岩の切石で造られた壮麗な塔は、ピラスター(付柱)、円柱、軒持送り(モディリオン)、ガーゴイルなどで装飾されており、海抜67mまで8層にわたってそびえています。16世紀と18世紀の二度にわたる建設によって、技術的な機能が強化され、海上信号の傑作であり、現在も使用されている現役の灯台です。華麗な姿から「海のヴェルサイユ」とも呼ばれています。建築形態は、古代様式やルネサンス期のマニエリスム、またフランスの技術者要請期間である土木技術学校の独特の建築様式の影響を受けています。
フランス国王の権威を示す灯台
最初の建設は1584年、フランス王アンリ3世の命で技師ルイ・ドゥ・フォワが手がけました。その後、王権の正統性を強調したかったアンリ4世が、王のための居室や礼拝堂といった意外性のある要素を加えました。これは、ヨーロッパの海洋国家や地元の人々に王の権威を印象づけるための政治的意思の具体的な表れでした。1788〜1789年には、ジョゼフ・テュレールが灯台の高さを増し、ルイ・ドゥ・フォワの16世紀の設計思想を尊重しながら改修しました。ルイ・ドゥ・フォワの塔は、古代ローマの霊廟やルネサンス・マニエリスムの優雅なドームなど、古代やイタリアの影響を受けていて、外洋に浮かぶ芸術作品です。コルドゥアン灯台は、その意図された記念碑性において、人間の創造力が建築・様式・技術だけでなく、象徴性や概念性にも及んだ、壮麗で唯一無二の作品です。
アクセス
成田・羽田・関空などからパリ・シャルル・ド・ゴール空港へ直行便で移動。パリからTGV(高速鉄道)でボルドーへ(約2時間)。ボルドーからコルドゥアン灯台へは、ボルドーからロワイヤン(Royan)またはル・ヴェルドン=シュル=メール(Le Verdon-sur-Mer)へ列車で移動(約2〜2.5時間)。ロワイヤンまたはル・ヴェルドンから灯台へはボートでアクセス。
執筆協力者PROFILE
民間企業勤務のサラリーマン。趣味は世界遺産と言語。「リラの僧侶」の名で世界遺産ポッドキャスト「ニュースで読み解く世界遺産」のラジオパーソナリティーを担当。好きな世界遺産はリラの修道院。
アクセス
成田・羽田・関空などからパリ・シャルル・ド・ゴール空港へ直行便で移動。パリからTGV(高速鉄道)でボルドーへ(約2時間)。ボルドーからコルドゥアン灯台へは、ボルドーからロワイヤン(Royan)またはル・ヴェルドン=シュル=メール(Le Verdon-sur-Mer)へ列車で移動(約2〜2.5時間)。ロワイヤンまたはル・ヴェルドンから灯台へはボートでアクセス。
執筆協力者PROFILE
民間企業勤務のサラリーマン。趣味は世界遺産と言語。「リラの僧侶」の名で世界遺産ポッドキャスト「ニュースで読み解く世界遺産」のラジオパーソナリティーを担当。好きな世界遺産はリラの修道院。
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