about
さまざまな国に支配された島
アルバニアとギリシャの西海岸沖のコルフ島にある『コルフの旧市街』は、アドリア海の入口に存在し、昔から戦略的に重要な場所でした。起源は紀元前8世紀頃と言われており、コリント人が植民都市ケルキラを建設したのが始まりです。以降、ローマやナポリと交易をして栄えたといわれています。15世紀からは、この島は約4世紀にわたりヴェネツィア共和国の支配下に入り、ビザンツ帝国との交易路の安全確保に必要な島となりました。19世紀にはイギリスの支配下に置かれましたが、最終的にはギリシャ政府に返還されました。
オスマン帝国の脅威から街を守った要塞
オスマン帝国がビザンツ帝国を滅ぼした1453年以降、コルフの旧市街はオスマン帝国の脅威に直面します。そこで16世紀、ヴェネツィアはオスマン帝国から街を守るために三つの要塞を建造します。この要塞群の設計を考えたのが建築家ミケーレ・サンミケーリです。この堅牢な要塞は、後にイギリスも修復を行い、実に4世紀にわたり島を守りました。これらの要塞が地理的にも非常に重要な場所にあったコルフ島を守ったのは称賛に値し、コルフの旧市街は地中海の要塞港として高く評価されています。コルフの旧市街は、さまざまな国に支配されたため、先述した要塞もある中、19世紀の新古典主義の住宅なども残っているのですが、ギリシャ神殿を模した建築物がイギリス領時代に建造されているのも興味深いです。
アクセス
コルフ国際空港からバスで約20分。
執筆協力者PROFILE
世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。
アクセス
コルフ国際空港からバスで約20分。
執筆協力者PROFILE
世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。
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