クラック・デ・シュヴァリエとカラット・サラーフ・アッディーン
聖ヨハネ騎士団が本拠地としたクラック・デ・シュヴァリエ

遺産DATA

地域 : 西・南アジア 保有国 : シリア・アラブ共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 2006年 危機遺産 : 2013年~ 登録基準 : (ii) (iv) 遺産の面積 : 0.0887㎢ バッファ・ゾーン : 1.6721㎢ 座標 : N34 45 24 E36 17 40(クラック・デ・シュヴァリエ)

about

築城技術の粋を究めた難攻不落の名城

シリアに十字軍時代の様子を表す二つの要塞が残っています。その内の一つクラック・デ・シュヴァリエとは「騎士の城」という意味であり、1142年から1271年にかけて聖ヨハネ騎士団によって建設されました。小高い丘の上に建てられ、当時の建築技術の粋を集めたので、難攻不落の要塞として有名です。また、13世紀後半にはマムルーク朝によってさらに建設が進められ、十字軍時代の要塞の中でも最も保存状態の良い要塞の一つとなっています。そのことから、映画『アラビアのロレンス』で知られるT.E.ロレンスも「世界で最も美しい城」という言葉を残しています。

英雄サラディンゆかりの要塞

クラック・デ・シュヴァリエの北方にあるカラット・サラーフ・アッディーンは、かのサラディンにまつわる要塞です。一部が廃墟となっているものの、10世紀半ばのビザンティン時代に始まり、12世紀後半のフランク王国による改修、その後12世紀後半から13世紀半ばのアイユーブ朝によって築かれた要塞の特徴を今も残しています。城の名の由来となっているサラディン(サラーフ・アッディーン)は、アイユーブ朝を興し、第三回十字軍を破ったことで広く知られています。また、聖地エルサレムを奪回したことから、イスラム圏では英雄扱いされています。そのサラディンが1188年にこの十字軍の要塞を陥落させました。そのことから「サラディンの要塞」という意味で、「カラット・サラーフ・アッディーン」と呼ばれています。これらの要塞は、十字軍時代の建築技術を示す傑出した例として世界遺産に登録されましたが、シリア内戦が勃発したことで被災し、2013年に危機遺産に登録され、現在も厳重な保全体制が求められています。

アクセス

クラック・デ・シュヴァリエには首都ダマスカスから車で約3時間。カラット・サラーフ・アッディーンにはアレッポから車で約3時間。

執筆協力者PROFILE

京都橘大学・大阪成蹊大学講師/NPO世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。

遺産DATA

分類 : 文化遺産
登録年 : 2006年
危機遺産 : 2013年~
登録基準 : (ii) (iv)
遺産の面積 : 0.0887㎢
バッファ・ゾーン : 1.6721㎢
座標 :N34 45 24 E36 17 40(クラック・デ・シュヴァリエ)

アクセス

クラック・デ・シュヴァリエには首都ダマスカスから車で約3時間。カラット・サラーフ・アッディーンにはアレッポから車で約3時間。

執筆協力者PROFILE

京都橘大学・大阪成蹊大学講師/NPO世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。