先史時代のサルディーニャ島の葬送の伝統:ドムス・デ・ヤナス
サルデーニャ島中に点在する岩窟墓。現地住民からは「妖精の家」と呼ばれる

遺産DATA

地域 : ヨーロッパ 保有国 : イタリア共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 2025年 登録基準 : (iii) 座標 : N40 37 57 E8 19 36

about

「ヌラーゲ」と呼ばれた文明が存在した地中海第二の島

イタリア本土の西に浮かぶサルディーニャ島は、地中海ではシチリア島に次ぐ大きな島です。この島で人類が暮らし始めたのは新石器時代に遡り、早くからヨーロッパやアフリカからいろいろな民族が移り住んで、紀元前18世紀から「ヌラーゲ文明」と呼ばれる先史文化を発展させました。現在もピラミッド状の要塞ヌラーゲが点在しており、これらはバルーミニのスー・ヌラージ』として1997年に世界遺産に登録されています。 

「妖精の家」と呼ばれる地下墓地群

ヌラーゲ文明から遡ること約2,000年、新石器時代中期から青銅器代初期にあたる紀元5年紀3千年紀にかけては、島に数多くの巨石構造物や地下墓が築かれました。特に、岩をくり抜いてつくられた墓は「妖精の家」を意味するドムス・デ・ヤナスと呼ばれており、島全体では3,500基が存在します。内部の構造は三角形や円錐状など様々で、複雑な迷路状の構造や人や動物をモチーフとした壁画装飾も見られます。これらはヨーロッパの先史時代の中でも初期葬送伝統を示すもので、当時の埋葬習慣や信仰・社会構造などを反映した貴重な遺産です 

アクセス

日本からイタリアのローマまで直行便で約12時間。その後国内線に乗り継ぎ、サルディーニャ島まで約1時間10分。

執筆協力者PROFILE

細谷 正文
細谷 正文
大東文化大学・フェリス女学院大学講師/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。

遺産DATA

分類 : 文化遺産
登録年 : 2025年
登録基準 : (iii)
座標 :N40 37 57 E8 19 36

アクセス

日本からイタリアのローマまで直行便で約12時間。その後国内線に乗り継ぎ、サルディーニャ島まで約1時間10分。

執筆協力者PROFILE

細谷 正文
細谷 正文
大東文化大学・フェリス女学院大学講師/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。