ドニャーナ国立公園
スペインオオヤマネコ。ドニャーナ国立公園を中心に展開された懸命な保全活動が実を結び、個体数は回復傾向にある

遺産DATA

地域 : ヨーロッパ 保有国 : スペイン 分類 : 自然遺産 登録年 : 1994年 範囲拡大年 : 2005年 登録基準 : (vii) (ix) (x) 遺産の面積 : 542.517㎢ 座標 : N36 56 51.72 W6 21 31.9

about

多様な生態系と動く砂丘「ドゥナス・モビレス」

スペイン南西端、アンダルシア地方のグアダルキビル川河口に広がるドニャーナ国立公園は国内最大の国立公園として有名です。507㎢強の敷地には海沿いのサンゴ礁から湿原、内陸のやぶ地、砂丘林まで、多様な自然環境が存在しています。ここは中世以来、スペイン王室の狩場として人の定住が禁じられてきました。毎年50万羽を超える水鳥の越冬地であり、アオサギの営巣地としては地中海最大です。さらに絶滅危惧種のスペインオオヤマネコやインペリアルイーグルなどの固有種のほか、128種類の鳥類、28種類の哺乳類、11種類の両生類、18種類の爬虫類など多様な生物を見ることができます。また、高さ40mもの砂が年間6mも移動する動く砂丘「ドゥナス・モビレス」もドニャーナ国立公園の特徴的な奇観として有名です。

先進国が自然保護と向き合うロールモデル

かつてドニャーナ国立公園は、農地開発や観光、密猟、過度の放牧による環境悪化の危機にありました。ここはスペインにとって、自然保護区の大切な実験場でもあります。前述のような危機も、経済界との議論を含め、乗り切る努力を重ねてきました。その結果、現在では対策が進み大きな危機は回避できたとされています。それでも、自然環境の変化は敏感で少しの環境の変化で状況は大きく変わります。スペイン最大の自然保護区であるドニャーナ国立公園の今後の在り方は、先進国にとってどのように「自然保護と向き合うか」を考える重要な例証といえます。

アクセス

セビーリャから現地ツアーで入園(自然保護区のため公園内には許可を得た車両以外は入ることができない。公園内の見学は現地ツアーへの参加が必須)。

執筆協力者PROFILE

ミド
ミド
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター/Podcast「行きたくなる世界遺産!」パーソナリティ

広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。

遺産DATA

保有国 : スペイン
分類 : 自然遺産
登録年 : 1994年
範囲拡大年 : 2005年
登録基準 : (vii) (ix) (x)
遺産の面積 : 542.517㎢
座標 :N36 56 51.72 W6 21 31.9

アクセス

セビーリャから現地ツアーで入園(自然保護区のため公園内には許可を得た車両以外は入ることができない。公園内の見学は現地ツアーへの参加が必須)。

執筆協力者PROFILE

ミド
ミド
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター/Podcast「行きたくなる世界遺産!」パーソナリティ

広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。