ドーセット及び東デヴォン海岸
「ジュラシック・コースト」とも呼ばれる。写真はダードル・ドアの天然橋。絶景ポイントとして人気

遺産DATA

地域 : ヨーロッパ 保有国 : 英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国) 分類 : 自然遺産 登録年 : 2001年 登録基準 : (viii) 遺産の面積 : 25.5㎢ 座標 : N50 42 20 W2 59 23.6

about

中生代の多様な化石が発掘された海岸

イングランド南西の沿岸部で、デヴォン州エクスマスからドーセット州スタットランド湾にかけてのイギリス海峡に面した海岸には、生物進化の過程を示す多様な化石が埋まっています。2001年に世界遺産『ドーセット及び東デヴォン海岸』として登録された155㎞に及ぶ範囲には、約2億5,200万年前の三畳紀から、ジュラ紀、白亜紀まで、約1億8,500万年にわたる中生代の地層が露出した場所が存在し、幅広い年代にまたがった多数の化石が発掘されています。そこでは、代表的なアンモナイトを始めとして、魚類、海生・陸生の爬虫類、哺乳類、そして樹木に至る多様な生物の化石が見られます。それらの化石は18世紀から今日に至るまで、300年以上にわたって古生物学や古気候学の貴重な研究史料となっています。なお、地質時代区分の古生代デヴォン紀の名称は、この東デヴォン海岸に由来しています。

イクチオサウルスの化石を発見した古生物学者

この地で発見された化石の中で、ドーセット州出身の化石収集家および古生物学者であるメアリー・アニングによって発見された魚竜イクチオサウルスの化石は特にその名が知られています。イクチオサウルスは、中生代ジュラ紀に生存した海生の爬虫類で、体形は今日のイルカに似ていて、眼窩は大きくウロコがない生物です。2020年制作の映画「アンモナイトの目覚め」はメアリー・アニングを主人公とした物語です。

アクセス

ロンドンから列車(South Western Railway)でエクセターまで約2時間。そこから、車で世界遺産登録範囲の東端にあるエクスマスに向かう。

執筆協力者PROFILE

山口 利光
山口 利光
NPO法人世界遺産アカデミー客員研究員

米国総合化学会社の日本法人にて海外人事部門などで40年間勤務した後、筑波大学大学院人間総合科学研究科世界文化遺産学専攻の博士課程を修了。博士(世界遺産学)。日本造園学会会員。日本シルク学会会員。元大東文化大学国際関係学部非常勤講師。

遺産DATA

分類 : 自然遺産
登録年 : 2001年
登録基準 : (viii)
遺産の面積 : 25.5㎢
座標 :N50 42 20 W2 59 23.6

アクセス

ロンドンから列車(South Western Railway)でエクセターまで約2時間。そこから、車で世界遺産登録範囲の東端にあるエクスマスに向かう。

執筆協力者PROFILE

山口 利光
山口 利光
NPO法人世界遺産アカデミー客員研究員

米国総合化学会社の日本法人にて海外人事部門などで40年間勤務した後、筑波大学大学院人間総合科学研究科世界文化遺産学専攻の博士課程を修了。博士(世界遺産学)。日本造園学会会員。日本シルク学会会員。元大東文化大学国際関係学部非常勤講師。