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歴代スウェーデン王妃とのかかわり
ストックホルムの西、メーラレン湖に浮かぶローヴェン島にある『ドロットニングホルムの王領地』は、17〜18世紀に建設されたスウェーデン王家の宮殿を含む建造物群です。「ドロットニングホルム」とは「王妃(女王)の小島」を意味し、その名の通り歴代のスウェーデン王妃と深いかかわりをもっています。この地には16世紀末に王妃カタリーナ・ヤーゲロニカのために建てられた夏の離宮が存在していましたが、後に焼失してしまいます。その後、1661年に王妃ヘドヴィーク・エレオノーラが建築家ニコデムス・テッシンに再建を依頼し、テッシンの息子に工事は引き継がれました。建設はおよそ100年にわたって続けられ、バロック様式の宮殿と庭園が完成しました。
スウェーデン文化創造の中心地
18世紀後半にプロイセン王国から嫁いできたロヴィーサ・ウルリカは、結婚祝いとして贈られた宮殿の改築を進めました。ウルリカは内装にロココ様式を取り入れたほか、敷地内に劇場や中国風の東屋を建設しました。1766年に建てられた劇場は、舞台装置やステージセットが良好な状態で残されており、建設から200年以上が経った現在も、定期的にオペラが上演されています。中国風東屋は、ウルリカが息子グスタフ3世の誕生日に贈ったもので、18世紀にヨーロッパで流行していた「シノワズリ」の代表例とされています。1771年に王位に就いたグスタフ3世は、ロココ様式に古典様式を融合させた「グスタヴィアン様式」を好み、建物の内装に手を加えたほか、フランス式庭園の一画に自然を活かしたイギリス式庭園を造営しました。ウルリカとグスタフ3世は、スウェーデンに啓蒙時代をもたらし、ドロットニングホルムをスウェーデン文化創造の中心地とへと発展させました。
アクセス
ストックホルム「ガラムスタン駅」から「ブロンマプラン駅」へ地下鉄で約20分。ブロンマプランからドロットニングホルムまでバスで約5分。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
アクセス
ストックホルム「ガラムスタン駅」から「ブロンマプラン駅」へ地下鉄で約20分。ブロンマプランからドロットニングホルムまでバスで約5分。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
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