about
隆起サンゴ礁が生んだ奇跡
ソロモン諸島、レンネル島の南部に広がる『東レンネル』は、世界最大級の隆起サンゴ礁の一部であり、その中心には島嶼部太平洋最大の湖「テガノ湖」が広がります。面積155㎢の汽水湖には石灰岩の小島が点在し、固有のウミヘビが生息するなど、生態系が息づいています。さらに周囲の原生林には陸鳥や水鳥の固有種、コウモリやカタツムリも生息し、まさに「固有種の宝庫」とも呼べる場所です。自然の営みによって生まれたこの豊かな生物多様性は貴重であり、高く評価されています。
人と自然が共に生きる島での暮らしと気候変動問題
東レンネルは自然遺産でありながら、約1,200人のポリネシア系住民が伝統的な生活を営む「人と自然の共生の場」でもあります。4つの村の住民は、自給自足の菜園や狩猟、漁業で暮らしを支え、森や湖と深く結びついた生活を続けています。こうした慣習的な管理のもとで自然資産として登録されたのは世界初です。一方で、頻発するサイクロンや、湖の水位上昇といった気候変動の影響などが、住民の食料生産や生物多様性に深刻な問題を与えています。2013年以来危機遺産リストに記載されており、自然と共にある暮らしを守るための取り組みについて、新しいアプローチが必要になりそうです。
アクセス
ホニアラからレンネル島まで飛行機で約1時間、レンネル(ティンゴア空港)から東レンネルまで車で約2時間30分。
執筆協力者PROFILE
世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
アクセス
ホニアラからレンネル島まで飛行機で約1時間、レンネル(ティンゴア空港)から東レンネルまで車で約2時間30分。
執筆協力者PROFILE
世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
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