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2,700年前からの噴火記録の残る活火山「エトナ山」
シチリア島東部にあるエトナ山は、世界で最も活発に活動している成層火山として知られています。頂上の火口では絶えることなく噴火活動が継続しており、側面部や亀裂からは頻繁に溶岩流が流れ出ます。直近では、2025年6月に大規模な噴火が発生しました。一方で、地中海周辺の島で最も高い山でもあるエトナ山の歴史は古く、50万年前まで遡ることができると考えられています。文献上では少なくとも2,700年前から継続的な噴火の記録が残されており、火山活動の歴史について文書で記録された世界で最も古い例の1つとされています。
多様な特徴が見られる火山研究の聖地
エトナ山はユーラシアプレートとアフリカプレートの境界付近に位置しており、そのプレート運動によって噴火が繰り返されています。山頂火口、噴石丘、溶岩流、溶岩洞窟、ヴァレ・デル・ボーヴェの窪地など、火山の生み出す多様な特徴を見ることができアクセスも容易なことから、火山研究と教育の貴重な場所にもされています。今日ではエトナ山は、世界で最も頻繁に研究・観察されている火山の1つとして知られており、火山学のみならず地球物理学やその他の地球科学分野へも影響を与え続けています。また、火山活動は固有の植物相や動物相を育むことから、エトナ山は生態学的・生物学的プロセスを研究する自然の実験室でもあります。これらのことから、エトナ山の持つ科学的重要性や文化的・教育的価値は世界的にも重要なものと考えられています。
アクセス
シチリア島カターニア駅からリフージョ・サピエンツァ(エトナ山1,900m地点)までバスで約2時間。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
アクセス
シチリア島カターニア駅からリフージョ・サピエンツァ(エトナ山1,900m地点)までバスで約2時間。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
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