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ヨーロッパ最大の塩水湖
オーストリアとハンガリーの国境にまたがるノイジードル湖は、ヨーロッパ最大の塩水湖です。ノイジードルはドイツ語であり、ハンガリー語ではこの湖はフェルテー湖と呼ばれています。それぞれオーストリア側の湖は1977年、ハンガリー側の湖は1979年にユネスコの生物圏保護区に指定され、また、1983年以来、ラムサール条約に基づく保護区にも指定されています。ただし、世界遺産の価値としては、文化遺産としての価値のみ認められており、湖自体の世界遺産の価値は見出されていません。では、何が評価されたのかというと、ここで約8,000年前から育まれた異文化の交流と、そこから生まれた独特な文化的景観という点です。
時間をかけて育まれた美しき文化的景観
紀元前7世紀頃には湖岸に初期鉄器時代のハルシュタット文化の人々が、また、その後ローマ時代の人々もこの地域に住みました。そして、11世紀にハンガリー王国が興ってからは徐々に住居が増えていき、13世紀のモンゴル人の侵攻にも耐えて繁栄していきました。また、ワインの生産にも力が入れられており、湖畔の都市ルストはワイン貿易の中心として栄えました。湖周辺の地域には9世紀から19世紀頃に建てられた、ハンガリーの大貴族エスターハージ家の宮殿風の館や田舎風の館などが残っており、先述したワインを生産するブドウ園やこれらの建築物が独特の文化的景観の要素を強めています。
アクセス
ウィーンからルストまで車で約1時間。
執筆協力者PROFILE
世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。
アクセス
ウィーンからルストまで車で約1時間。
執筆協力者PROFILE
世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。
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