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世界遺産登録の範囲は実に東京23区の約1.3倍
キューバがスペインの植民地だった19世紀につくられた、初めてのコーヒー農園の跡です。世界遺産に登録された範囲は、東京23区の総面積の約1.3倍の814.75㎢にもおよびます。171のプランテーションからなる広大な敷地には、所有者の家、水道橋、製粉所、発酵タンク、乾燥小屋のほか、加工したコーヒー豆を市場に運ぶための道路なども含まれ、開拓当時のコーヒー生産と、農業技術を示す文化的景観が残されています。コーヒー農園は20世紀まで続けられましたが、他国の新しい生産の手法におされ、やがてキューバでの生産は衰退していきました。現在は、農園のオーナーの屋敷跡や農園跡地が点在しています。19世紀に本格化したコーヒー農園の経営は、原生林を開拓した当時の農業形態を今に伝える世界で唯一の遺構とされています。
奴隷による労働の歴史を語る貴重な遺産
この広大な農園での労働力は、100万人を超えると推測されるアフリカから連行された黒人奴隷でした。当時、黒人は南北アメリカやカリブの島々へ連れていかれ、サトウキビやコーヒー豆・綿花などをつくる大規模農園「プランテーション」で過酷な労働を強いられていました。元々、キューバでコーヒー豆の生産は行われていませんでした。しかし、キューバの隣の島で奴隷が反乱を起こしたハイチ革命の影響で、プランテーションの場所を失った白人がキューバに移り住み、新たに農園を設立。当初はサトウキビの生産でしたが、その中からコーヒー豆の生産に切り替える経営者が現れていきました。キューバのシエラ・マエストラ山麓の丘陵地帯の乾燥した気候は、コーヒー栽培に適していました。19世紀に本格化したコーヒー農園の経営は、この山麓の土地に挑んだ開拓当時の農業形態を今に伝える証であり、音楽、ダンス、食などの面でも独特の地域文化を生み出した歴史を持っています。
アクセス
キューバの首都、ハバナの空港から最寄りの大都市であるサンティアーゴ・デ・クーバへ、キューバの国内線で約1時間半。
執筆協力者PROFILE
中央大学文学部卒業。慶應義塾大学大学院修了(MBA)。元民放ニュースキャスターで、NHKに転職後、解説委員として世界遺産の価値や課題を取材・解説。学芸員、防災士の資格をもつ。文化審議会文化政策部会の委員を務めた(15〜20期)。
アクセス
キューバの首都、ハバナの空港から最寄りの大都市であるサンティアーゴ・デ・クーバへ、キューバの国内線で約1時間半。
執筆協力者PROFILE
中央大学文学部卒業。慶應義塾大学大学院修了(MBA)。元民放ニュースキャスターで、NHKに転職後、解説委員として世界遺産の価値や課題を取材・解説。学芸員、防災士の資格をもつ。文化審議会文化政策部会の委員を務めた(15〜20期)。
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